かつてのひまな野球人の記

野球が好きだった医者が書きたいことを書き散らすブログ。今は保健センター教員をしつつ神経内科医と研究者もやっています。

とっさに動く

2010年09月15日 22時29分00秒 | 医者仕事
心肺蘇生は体力勝負。する側もされる側も。
今日は朝早くに血圧が低いという連絡を受けて病院に行き、訪室してみると既に呼吸はなく脈もない。こうなればとるべき手段は一つしかない。まずはBLSの開始。人と物が集まればACLSに移行して蘇生を続けるしかない。だが、経験が浅いと頭でわかっていても体が動かない。ことに、自分が最初に発見してしまった場合はそうである。
しかし、この場合は相手が悪すぎた。後からわかったことだが、出血性ショックではいかに心肺蘇生を頑張っても分が悪い。しかし、やるしかなかった。
今日は一人にかかりっきりになった。それもやむを得ない。救命は最優先にやらなければならないからで、成否は問題ではない。
今から思えば、いくつか反省点はあるのだが、その時にはその時が全て。やれるだけやって、それでどうしようもなければ仕方がないのである。
とはいえ、助けられなかったことはやはり辛い。