かつてのひまな野球人の記

野球が好きだった医者が書きたいことを書き散らすブログ。今は保健センター教員をしつつ神経内科医と研究者もやっています。

透析の種類

2010年09月14日 20時48分09秒 | 医者仕事
いわゆる人工透析は体内の血液を体外の透析機に導いて行うものだが、もう一つ方法がある。生体膜を利用する方法で、具体的には腹腔内に透析液を入れてしばらく放置して一定時間が経ったら抜く。腹膜透析というのだが、血液透析と比べると利点も欠点ももちろんある。血液透析よりもずっとやることは簡単だが、感染に気を付けないと腹膜炎になってしまうのでそこはあやうい。また、生体膜なので劣化しても交換するというわけにはいかない。そのため、ゆくゆくは血液透析にならざるを得ないのも仕方がない。そして、血液透析であれば週3回で済むが、腹膜透析は毎日やらなければならない。
劣化ということがある以上、どうしても透析の能力を測る必要があるわけだが、それが腹膜機能平衡試験という検査になる。具体的にはやや濃いめの透析液を入れて特定の時間おきに排液を生化学検査に回すという作業だが、時間がかかる。午前中はその検査で潰れてしまったようなものだった。とはいえ、無事に作業は終わり結果も出た。まずまずの結果で一安心。