「おおてらの まろきはしらの つきかげを つちにふみつつ ものをこそおもへ 」
世界遺産 唐招提寺の金堂を前にすると、会津八一のこの詩歌が、自然とこころに湧き上がってきます。
おおてら(大寺)と詠まれるだけあって、金堂はそのスケールが確かに大きい。
その大屋根を支える八本のまろき(丸い)はしらが、天平の時代から平成の現在を迎えても、今なお整然と立ち並ぶその姿に、改めて見惚れてしまうのです。
金堂の足元に立ち、その屋根を仰ぎ見てみると、台風が去った後の、透き通るような青空が目の前に広がっていました。
鑑真和上の目には映ることがなかった、美しい日本の空。
命を賭して海を渡った中国の偉人に、今再び、手を合わせるのでした。