今から20年前の冬、ニューヨークはやはり病んでいました。
街中に溢れるドラッグ。後の絶えない地下鉄の落書き。ハーレム街での貧困と暴力。
常に緊張感を感じさせるような、マンハッタン島を包むピリピリとした空気の正体は、零下10℃の気温のせいではありませんでした。
人種の坩堝(るつぼ)であったマンハッタンの街中をあちこち歩いていると、肌の色から顔の骨格、眼の色まで種々多様な人々を目にし、自分という存在が、こうした世界の中で、東洋人(日本人ではなく)であることを強烈に意識させられました。
そんな思いの中、ひとりブルックリン・ブリッジの遊歩道を渡った頃、ワイヤー越しに見えた摩天楼のビル群が、ひときわクリアに見えたことを記憶しています。
中でも、今はもう存在しないツインタワーは、とても無垢で象徴的な、アメリカの成功のシンボルでした。
写真を見ているうち、ビリー・ジョエルの「New York State Of Mind」を、心の中のBGMとして重ねていました。
街中に溢れるドラッグ。後の絶えない地下鉄の落書き。ハーレム街での貧困と暴力。
常に緊張感を感じさせるような、マンハッタン島を包むピリピリとした空気の正体は、零下10℃の気温のせいではありませんでした。
人種の坩堝(るつぼ)であったマンハッタンの街中をあちこち歩いていると、肌の色から顔の骨格、眼の色まで種々多様な人々を目にし、自分という存在が、こうした世界の中で、東洋人(日本人ではなく)であることを強烈に意識させられました。
そんな思いの中、ひとりブルックリン・ブリッジの遊歩道を渡った頃、ワイヤー越しに見えた摩天楼のビル群が、ひときわクリアに見えたことを記憶しています。
中でも、今はもう存在しないツインタワーは、とても無垢で象徴的な、アメリカの成功のシンボルでした。
写真を見ているうち、ビリー・ジョエルの「New York State Of Mind」を、心の中のBGMとして重ねていました。