京都 妙心寺の塔頭、退蔵院(たいぞういん)の境内を散策していると、ふと気がつけ
ば何やら瓢箪(ひょうたん)に関わる意匠がそこかしこに見受けられます。例えば土塀
の瓦やお土産など、まるで隠れミッキーのような在り様で、寺院のあちこちに瓢箪の
キャラクターが登場します。
さて、退蔵院が所蔵する国宝といえば、瓢鮎図(ひょうねんず)。瓢箪で鯰(なまず)
を押さられるか、という問いを絵にした有名な山水画は、禅寺に相応しいまるで禅問答
のような疑問を見る者に語りかけます。退蔵院に瓢箪のモチーフが多いのは、この
瓢鮎図にちなんだもの。
さて、境内の奥にある茶室の下地窓(したじまど)にも、瓢箪の形が大きく取り上げ
られていました。茶席「大休庵」の窓は大きくユニークな瓢箪の形。瓢箪独特の、
どこかひょうきんなアウトラインをそのまま生かした建築意匠に、出会ったこちらも
なんだか心がほっこり…。
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