今年は琳派誕生から400年という記念の年。京都では琳派にちなんだ展覧会が数多く
開催されています。10月10日より京都国立博物館では「琳派 京を彩る」と題して、
なんとあの国宝、「風神雷神図屏風(俵屋宗達)」を始め、尾形光琳と酒井抱一描
いた風神雷神図屏風の3作品が一堂に会する(!!)という歴史的かつ驚異の展示が
行われています。
俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一。それそれが互いに、一世紀の時を超えて繋がった
美の魂。リスペクトとサンプリングという現代的なアート思考で、時代のエッジを
歩んでいた芸術家たちが残した3つの屏風絵。二階展示室で三組同時に見比べて、
その表現思想が異なっているのに気づきます。
当たり前ですが、オリジナルである俵屋宗達の風神雷神図が最も完成度が高いの
ですが、次の時代に当たる尾形光琳は微妙に構図を変化させています。風神雷神共に
画面中央へと若干移動させ、絵の収まり感を安定させています。よく見れば、二神の
視線を変化させ、お互いを睨むように瞳の位置が変わっています。線も色調もより
鮮やかになりました。酒井抱一の場合は言わばフラットデザイン。繊細かつクリアな
配色で、アニメ的とも言える明快さに溢れています。ただ、やはり力強いのは
オリジナル。改めてその芸術性の高さにしばらく見入ってしまいました。
さて、あなたの場合は?
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