ふと振り向いた路地の風景、それは、江戸の町並みそのもの。まるで天領の時代へタイム
スリップしてしまったかのような風景が目の前に。ここ倉敷は江戸の昔、幕府の直轄地
でした。当時はその地の事を”幕領(ばくりょう)”と呼び、後の明治に”天領”と
呼ばれるようになりました。
この通りはかつて、倉敷の老舗の”奈良萬旅館”があったことから、「奈良萬の路地」と
呼ばれているそうです。晴れ渡った青空の下には漆喰の白壁。ちょうど目線から下の部分は、
渋墨塗りの杉板で施工されています。白と黒で上下にスパッと分割された印象的な小さな
路地。
上方へ送られる様々な物資が集められ、商業が栄えた町、倉敷。通りの中心に立って奈良萬
の路地を眺めていると、当時の人達の賑やかな往来の様子が見えてくるようです。宿屋に
酒屋、桶屋に箪笥屋等、職人や商人達がこの町を忙しく行き来していたのでしょう。賑やか
だった人々の往来の様子が目の前に見えるようです。