今年も奈良でお水取りが始まっています。
天平勝宝4年(752年)から始まり、今年で1263回。
大仏が焼け落ちても、日本が空襲にあった時でも本行が一度も絶えることはなく、現在まで続く不退の行法。
人が人のために続けてきた貴重な無形文化ですから、やはり今年のお水取りも見に行かざるを得ません。
二月堂の前庭で、お松明の登場を待つこと30分。
午後7時が過ぎると辺りの照明が一斉に消え、本堂の鐘がひとつ鳴り響きます。
燃え盛る松明の炎が石段の下から現れると、観客たちのどよめきが起こり、遂に姿を現しました。
本堂左手の欄干にぐわっと突き出た、重さ約40kgの巨大な松明。
これです。
本堂の軒裏を燃やさんばかりに立ち上る、この炎の姿を見に来たのです。
お松明は14日まで続きますが、この炎の行が終われば、奈良の春はもうすぐそこです。