メスアール宮の天井を見上げた時、しばし言葉を失いました。
複雑に入り組んだ、しかし整然とレイアウトされた幾何学模様の木組み天井。
実にモダンです。
アルハンブラ宮殿は数世紀に亘って増築/拡張を繰り返してきたので、正確には分かりませんが、少なくとも500年以上昔に造られたこの内装と仕上げ。
それが今もって全く新鮮に目に映るのは、驚くべきことです。
精緻に組まれた組木の技、破綻なく均等の間隔で刻まれた壁面の彫刻。
人知を超えて存在する匠の仕事に、ただひたすら見入ってしまったその時間。しばらく時が止まっていました。