GOOなMONOたち

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薬師寺 東塔

2010年10月19日 21時24分14秒 | トラベルフォト

平成30年。

今から10年後の世界。

随分先のことのようですが、その時まで、もう東塔のこの姿を見ることが叶わなくなるのです。

東塔は来月より、この場所から姿を消し、完全解体修理に入ります。

今から15年前のあの日。
阪神・淡路大震災の時に受けた衝撃により、塔の芯柱に大きなクラックが走りました。

後の検査で、割れ目からマイクロスコープを入れて中を確認したところ、芯柱の中心には大きな空洞が発見され、最も薄いところでは、表皮からたった3㎝の厚みしかなかったというほど穴が広がっていたのだそうです。

つまり現在の東塔は、もう芯柱の支えによって立っているのではなく、塔全体の組構造によってなんとか自立している状態だというのです。

西の京のシンボルであり続けた、東西二つの三重塔のひとつが、これから10年もの期間その姿を消してしまうなんて、とても寂しいかぎりですが、この屋根と裳階(もこし)が交互に繰り返し天へと延びる独創の姿を、後世の人々へときちんとつなげるため、しばしのお別れに、心を納めなければならないのです。