今年のF1日本グランプリで最も観客を沸かせてくれたのは、誰あろう小林可夢偉(カムイ)でしょう。
後方14番手スタートながら、果敢に攻める韋駄天振りをフルに見せ、ハードからソフトへのタイヤ交換のタイミングも計算しながら、次から次へとライバルを鮮やかに抜き去って行きました。
僕が見ていたのは200R。
今回、可夢偉が信じられないオーバーテイクを何度も見せてくれたヘアピンが、ちょうど前方に見える位置。
「ウソっ、あそこで抜くのかよー!?」「カムイ行けー!!」という熱い声援でどよめく中、目の前のカーブを、実にクールに駆け抜けて行きました。
度胸やハンドリングの巧みさだけではない、マシンバランスやタイヤの特性を考慮した巧妙なレース戦術を考えて53周を組み立てる24歳。
7位入賞も、彼にとっては快挙ではないのかも知れません。