般若寺（はんにゃじ）

11月を迎え、もう無理だろうと思いながらもふらりと立ち寄ると、まだ間に合いました。
奈良のコスモス寺、般若寺（はんにゃじ）です。
東大寺の北、奈良坂をふぅふぅ言いながら上ると、右手に般若寺、左手に牧場（？）。
創業明治17年という奈良で最も古いこの植村牧場から聞こえてくる、ポニーの嘶（いなな）きを横目に、楼門から奥の方に目をやると、境内の中はコスモスがまだまだ咲き誇っていました。
開花は期待薄だっただけに、思いがけない幸運を手にしたまま境内へ。
これが盛りの最後なのでしょうか、すっかり背高く伸びきったコスモスの群生に囲まれ、本堂や観音石仏が埋まっていました。
そして般若寺のシンボルでもある高さ12.6メートルの十三重石塔は、秋の空に向かって、天高く、堂々とその身を延ばしていました。