紅露の写真日誌…北の大地・夢空間

小樽・札幌の風景、イベントが中心

雨竜沼湿原に登る

2013-08-06 06:00:00 | 写真
先月の26日(金曜)に、3年ぶりに雨竜沼に行ってきました。平成21年、22年に続いて3回目の雨竜沼撮影になります。去年も写友に誘われたのですが、あいにく腰痛を発症していて、とても登れる自信がなくて断りました。体力的にも今回が最後のチャンスと思い、写友3人で行くことに決めました。

雨竜沼湿原は標高850-900mにある、日本有数の高層湿原で、東西4km南北2kmの約100haの広さです。そのなかに約700に及ぶ池糖と呼ばれる沼があります。中には浮島があったり、幅1mほどの木製の遊歩道を挟んで左右の沼の水面の高さが違うのです。右の池塘の水面が遊歩道ギリギリの高さにあるのに、左の池塘は、1mほど下がったところにあるという具合なのです。湿原ですから水がしみこむと思うのですが、不思議です。

ともあれ、午前4時頃小樽を出発して、国道275号線を北上します。2時間ほどで雨竜の街に到着です。さらに雨竜ダム(暑寒ダム)を右手に見て、市街地から30㎞程進むと、ゲートパークに到着します。あいにく天候が不安定です。事前の予報では午後から晴れるとのことでしたが、275号線を北上途中で雨に会い、ゲートパーク付近では霧雨状態です。午前7時頃到着した際には、登山客はの車は我らを含めて3台のみ。前回、前々回の時は平日早朝(午前5時前)にもかかわらず10-20台ほど駐車していました。入山届を出して湿原に向かいます。


ゲートパークから第二吊り橋までは割と簡単な登り坂。


入山管理棟、南暑寒荘(宿泊施設)を抜けてしばらくアスファルトの道を行くと川があって、その先からは砂利道。


砂利道が途切れて第一吊り橋を渡りきると、登り坂にかかる。岩を積み重ねた道で、折からの霧雨で岩が滑りやすい。ここで転ぶと、確実に大怪我をする。慎重に岩を選びながら進むが、まだまだ序の口。


アップダウンを繰り返し進むと、第二吊り橋手前の白竜の滝に出会います。楓でしょうか赤く色づいていました。ここで15分ほど休憩し、写真撮影。まだまだ体力十分。


ほどなく第二吊り橋に到着。湿原入口まで、距離的には約半分来たことになる。ゆっくり写真撮る余裕があります。


樹木名はわかりませんが、綺麗だと思っているうちはまだゆとりがある。


第二吊り橋を渡ったらこんな標識があります。湿原入口まで、ちょうど半分来たことになります…

途中の休息・写真撮影の時間を含め、ほぼ1時間が経過したでしょうか。ここからがきつい上り坂が続くのです。幅50-60cmの岩と木の根が絡まった斜度のきつい坂で、険竜坂が延々と続きます。途中何度も休憩しますが、霧雨で下半身が濡れて脚がひときわ重たく感じます。上半身は雨合羽で雨には濡れませんが汗でびっしょり。写真を撮る余裕は全くありません。ザックに一眼レフカメラは収納したまま。ジャケットの胸ポケットのコンデジさえ取り出すのが面倒です。登坂の終盤で撮った画像が数枚。


雨竜の市街地方向を振り返ってみると、霧と言うか雲に覆われている。


険竜坂を登り切って、出会うのが、おいでおいでの木(写友が勝手に命名)。ここからはきつい登りがないのでほっと一安心。

登山口のゲートパークを出発したのが午前6時50分、中間点の第二吊り橋を7時50分に通過、湿原入口に到着したのが9時10分でした。2時間20分で登り切ったことになります。雨竜沼湿原登山ガイドブックには、登山口から、湿原入口の少し先の展望テラスまでの3.5㎞を約2時間(登山家なら1.5時間程度)とありますので、まずまず、のペースで登ったということになります。湿原に足を踏み入れて最初に目にしたのが、これ、ヒオウギアヤメの群落。


ヒオウギアヤメは木道のあちこちに咲いていますが、かたまって咲いているのは、ここ湿原入口だけでした。


ぐっと近づいてみると、霧雨のためか水滴がびっしり。


湿原の中にはワタスゲが、滴を背負って皆下を向いている。晴れた日であったら、白い綿が風になびくのですが、今日はうつむいたままでした。


中央の大きな葉は、背丈70-80cmの水芭蕉。時期的に白い花は数個見かけただけですが、葉が非常に大きくなっていました。


これも水芭蕉の葉かな?


Y氏は何を撮っているのかな?水芭蕉らしいです。


エゾカンゾウ(内地で言うニッコウキスゲ)が至る所に咲いています。


霧雨で、エゾカンゾウの花びらに滴。


エゾカンゾウは今が開花のピーク。滴をまとった姿が美しい。


チングルマも水滴がびっしりついて、汗をかいたよう。


エゾノシモツケソウでしょうか、ところどころに群生しています。


こちらはハクサンチドリ、薄紫の可愛い花です。

今日はあいにく霧雨が時折強く吹き付ける、最悪のコンデション。天気が良ければ、トンボやハチなどが花に止まるシーンも見られるのですが、昆虫類が全く見当たりません。時折葉の間からカタツムリが顔を出す程度。


体長5mmほどのカタツムリ。何枚か撮影しやっと角にピントがあった一枚。


やたらと多い白っぽい花、と言うか、多分高山植物なんでしょうね。過去二回の登山では目にしたことがないような気がします。シャッタースピードを遅くして…あれれ、購入したばかりのヴァリアブルNDフィルターがない。持ってきたと思ったのに、おまけにCPLフィルターも忘れてきちゃった。

(注)雨竜沼登山ガイドパンフレットによれば、コバイケイソウと言って、7月上旬から下旬に咲くとあります。
  ただFacebook友の松本勝氏のブログによれば数年に一度しか開花しないとか。今年はコバイケイソウの当たり年だとか。


霧雨がまともに吹き付けてきて、レンズに雨粒がついてしまった。


気を取り直してもう一度、霧がひときわ濃くなってしまった。絵にならんな~。

霧雨が激しくなり、とてもカメラを構えられる状態でなくなりました。かけているメガネの両面に水滴がたまりメガネが使用不能状態になりました。午後0時半頃、一周4㎞程ある遊歩道の中間地点で撮影を断念。湿原入口に戻り、下山することになりました。湿原入口までの2.5㎞のなんて長いこと。足元が滑って木道が歩きにくい。途中の風のさえぎられる低地で昼食をそそくさと済ませ、下山します。ところが登り以上に下りが難しい。靴が泥まみれとなって、スキーでいうエッジが効かない状態。岩の上でも土の上でもよく滑る。岩や笹につかまりながら、休み休み下りてゲートに到着したのが、午後3時半。下りに3時間近くかかってしまいました。上り下りに苦労した割に、これぞというカットが得られなかったのが残念でした。体力的にも、限界。もう来ることもないかな、さようなら雨竜沼湿原!
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4 コメント

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おっとっと… (紅露)
2013-08-09 08:23:28
きーとんさん、
>軽装で逝ってきます(笑)…はまだ若い、早すぎますよ!
それとエゾカンゾウに出会ったことがないとのことですが、今年は残雪が多く1週間ほど開花が遅れたようです。開花のピークに合わせて7月26日を選んだのです。開花は1週間ほどですから、今週末は過ぎていると思いますよ。事前に雨竜町の役場に確認したほうがいいかも。私も3度行っていますが、いずれも事前に開花を確認してますので、どんぴしゃでした。
登山に重装備のカメラ装備は禁物、例年標準ズーム1本(TAMRON18-270mm)とコンデジ1台だけです。特に上り下りの際はコンデジが出番でした。
今回猛烈な霧雨に出会いましたが、何度も中断しようとしたのですが…どうしてもという写友に押し切られました。ともかく軽い捻挫だけで済んだのが幸いでした。
返信する
おつかれさまでした (きーとん)
2013-08-09 02:28:20
今回のタイトルに「!!」ときて、しかと拝見いたしました。
まずは、お疲れ様でした。

私も過去4回登ってますが、去年行ったときに、
こんなに辛い思いをするなんて…辛すぎる。
もぅ…ここに来るのはやめにしよっかな…。
と思ってしまいました。
(思えば、マラソンでクタクタになってゴールしたときの気持ちに似ています。)

とにかくレンズを数本持って行くと、リュックの重さが
体力をどんどん削っていく感じがします。
来年も来たいけど、来るとすれば、カメラ本体に着けた標準ズーム一本だけの軽装にしようと反省したものです。

もぅ、疲れ果てて、レンズ交換なんてする気が起きない。
それくらい疲れきってしまうんですよね。
とくに霧雨なんかに当たった日には…
(過去2回、経験あり)
下山の辛さ、もどかしさ…
すっごく分かります。

僕はここのエゾカンゾウの群生を撮れたことがなくて、
師匠の情報に、やっぱり今度の日曜に行くしかないなと思っております。

あぁ、辛い旅になるのは目に見えているんですが、やっぱりここの湿原が好きなんですよ。
では、軽装で逝ってきます(笑)
返信する
下山途中で… (紅露)
2013-08-06 13:38:46
滑って右足をねん挫したらしく、しばらく不自由をしていましたが、やっと完治しました。
好天であれば、もっともっといい画像が撮れたのでしょうが、横殴りの霧雨ではいかんともしがたいですね。雨竜沼登山は今回限りとします。労多い割に得るものが少ないような気がして…加えて体力的にも今年が最後かもしれません。スナップ派の私には向かないかも。悪しからず…
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チングルマとカタツムリ… (yotuti)
2013-08-06 09:30:44
は今回の霧雨雨竜沼の目玉…。
お天気が良ければトンボ、蝶々等、
その他素晴らしい景色も撮れたはずが…。
来年に向けて体力付けて置きましょう
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