本来の理由

年間に何度かの検定試験を実施し、その度に検定対策講座を設けます。私ができるのは「練習の仕方」の提案と、愚痴のお相手くらいです。毎回、普段の講座では味わうことのない心地よい緊張感と、向上心を嬉しく共有させていただいています。

検定である以上、合格していただくことが最大の目標です。それには「受かるといいなぁ」とか「受かりたいなぁ」でなく、「必ず受かる」という強い意志が必要です。「合格証書はもぎ取るものだ」というのが、この検定対策を実施する際のコンセプトです。そうは言いながらも、結局手にしていただく勲章とは、合格の紙切れではなく、その間の練習で身につけていただいた技量そのものなのです。心底そう思ってはいますが、それを言い訳に使って欲しくはないと思ってもいます。

建前と本音とでも言えばよいのでしょうか。この微妙な距離感は逆転すると本末転倒で、結果はついてこないは、実力は身につかないは…という結末になりかねません。本気で取りに行ったものを逃せば悔しいに違いありません。その悔しさからは逃げていただきたくはないのです。本来の勲章を見失うことは、いずれの場合にも賢明とは言えない結果を引き起こします。何をするにも、本来の目的を見失うことのないように、常に心を新たにしておかねばならないような気がします。そうでなくても、人は易きに流れる生き物なのですから。

例えば私が長くパソコン講座に関わり続ける理由は「自身を通したパソコン」を伝えたいと思っているだけです。例えば私がブログを書き続ける理由は「パソコン講座の中に込めた想い」を再確認したいだけです。ものは長く続けていくうちに、進化もしますし退化もします。それでも変わらずいられるのは、それが内なる私の想いだからで、他者に向かっているものではないからなのでしょう。ネットというのは、当然それを目にする他者を想定して、初めて成立する世界です。ですが、それは個々人を対象にしているようで、実は「社会」というものを視野に入れているべきなのではないでしょうか。

人は、個人の生き様を追求していく果てに、ヤハリ「社会」の中で生きる存在でしょうから。


「一度設定したオリジナルカラーを他所にも使いたい・その２」
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