春の花

気温がぐ～んと上がりました。我が家の荒れた庭にすみれが花をつけました。（前に書いたことがありますが、私はスミレの花が好きで、我が家の芝生はスミレが同棲しています。）　放りっぱなしの石楠花も、水仙も、何年も前に植えたチューリップまで、律儀に花を咲かせています。荒れた庭にまで春を運ぶほどに、春の息吹の鼓動は強いものがあるのでしょう。ハラハラと桜が散り始めました。それぞれの花たちが、季節の移ろいの中で、黙々と自然のサイクルに従っていきます。それこそが「自然」そのものです。

その揺るがぬサイクルの中に例外が存在しないのは、人間も同様なのです。ロシア西部の飛行機墜落事故で、ポーランドの現職大統領が亡くなりました。報道によれば、大統領夫人を含む軍高官など97名が死亡しました。タイの反政府デモは、治安部隊と衝突し、死者を出しましたが、その中に日本人ジャーナリストを含んでいると言います。「ひょっこりひょうたん島」の脚本を手がけた井上ひさし氏の訃報も報じられました。巨人軍のコーチが、試合前のノック中に倒れ、祈りも空しく不帰の人となられたニュースも衝撃でした。

人の移ろいも、自然のサイクルの中で、淡々と黙々とコマが進められていくことに、空しさと安堵の双方を覚えます。人の「生」は、花と同じく必ず閉じます。それがいつなのか、誰一人聞かされてはいないのですが、悠久の宇宙空間からすれば、誰もが等しく瞬きでしかないのです。後悔しない唯一の道が、今を120%で生きることでしかありません。逝った人が残してくれた遺産を大切にすること以外、彼らの「生」に報いる方法はキットありません。合掌。


「一度設定したオリジナルカラーを他所にも使いたい」
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