看護師が、宿泊療養施設の男性が携帯電話で送信した画像を見誤り、血中酸素濃度が重篤な状態だったのを見落とし、男性が死亡した…と京都府が謝罪しました。コロナウイルス感染拡大の中、血中酸素飽和度が重症化の目安となる…ということで、パルスオキシメーターがクローズアップされるようになりました。該当機種は酸素濃度と脈拍数が両方表示されるもので、ボタンを押すと逆方向からも見えるように、数値が上下反転して表示されるようになっていたため、看護師は酸素濃度と脈拍数を勘違いして記録したと言います。京都府では、表示切替機能のあるパルスオキシメーターの使用を中止しました。
コロナ禍で多くの命が失われる事になり、今現在も進行中の大きな災害であると考えるほかありません。大地震や洪水などで命を落とした方と同様、抗う術の無かった事態として、本人は勿論残された家族もただ唇を噛むしか許されない。そんな状況です。現場の医療関係者は恐らく疲弊しきっており、誰もこの看護師を責めることはできないと思いますが、看護師本人の気持ちを想像すると、複雑なものがあります。
多分、今回のミスは誰彼に責められる以前に、ご自分を苦しめるものになっているのではないでしょうか。もとより医療現場におられる方ですから、人の生き死にの場面には多々出会っておられる事とは思いますが、自分の単純なミスが死に繋がったとなれば、自分を責める事になるでしょうし、現場に居る資格さえないと自分を追い詰めることに繋がりかねません。
私たちの生活は、どんどん「便利」が追求されます。パソコンもその最たるもので、手間を省いて簡単にクォリティの高いものを手に入れることが目指されています。現代の暮らしにとっては当たり前、必需品ですらある家電も、人手をかけてこなすことが当たり前の家事労働の手間を省くために開発されてきたものですから、その「便利」がどんどん当たり前になって行きます。
「便利」が「当たり前」になることは、好ましい事なのですが、その陰で消えているものがあるということは、肝に銘じておかなければならないのでしょうね。コロナ禍で、患者が他者と接触することを極力避けることができるのも、こうした手軽に測定できるパルスオキシメーターの開発によるものでしょう。画面ショットを送るといった作業も、誰もができる簡単な作業です。簡単な日常だからこそ、うっかり思い込んでしまった…というのが今回の過ちに繋がりました。今ひとつの確認があれば問題はなかったと想像できます。JR運転士の「右ヨシ 左ヨシ 出発 進行」に似てるかもしれません。声に出して確認させることで、万一の不注意を防ごうというものでしょうけれど、それすら当たり前になって確認の気持ちが減れば、意味のない掛け声になってしまいます。
パソコンの世界は便利です。ボタンを押せば、すぐにクォリティの高い画面が手に入ります。でも…そこには、自分の意図を反映させる機会が含まれていない事、なぜこうなるのか、どうしてこうするのか…私たちが、声に出して確認して進めなければならない事が、多分たくさんあるのだと思います。
最前線の医療関係者の皆様、ひるまないでいただきたいと思います。細心の注意を払いながら、最善を尽くしていただいている事を、信じています。
コロナ禍で多くの命が失われる事になり、今現在も進行中の大きな災害であると考えるほかありません。大地震や洪水などで命を落とした方と同様、抗う術の無かった事態として、本人は勿論残された家族もただ唇を噛むしか許されない。そんな状況です。現場の医療関係者は恐らく疲弊しきっており、誰もこの看護師を責めることはできないと思いますが、看護師本人の気持ちを想像すると、複雑なものがあります。
多分、今回のミスは誰彼に責められる以前に、ご自分を苦しめるものになっているのではないでしょうか。もとより医療現場におられる方ですから、人の生き死にの場面には多々出会っておられる事とは思いますが、自分の単純なミスが死に繋がったとなれば、自分を責める事になるでしょうし、現場に居る資格さえないと自分を追い詰めることに繋がりかねません。
私たちの生活は、どんどん「便利」が追求されます。パソコンもその最たるもので、手間を省いて簡単にクォリティの高いものを手に入れることが目指されています。現代の暮らしにとっては当たり前、必需品ですらある家電も、人手をかけてこなすことが当たり前の家事労働の手間を省くために開発されてきたものですから、その「便利」がどんどん当たり前になって行きます。
「便利」が「当たり前」になることは、好ましい事なのですが、その陰で消えているものがあるということは、肝に銘じておかなければならないのでしょうね。コロナ禍で、患者が他者と接触することを極力避けることができるのも、こうした手軽に測定できるパルスオキシメーターの開発によるものでしょう。画面ショットを送るといった作業も、誰もができる簡単な作業です。簡単な日常だからこそ、うっかり思い込んでしまった…というのが今回の過ちに繋がりました。今ひとつの確認があれば問題はなかったと想像できます。JR運転士の「右ヨシ 左ヨシ 出発 進行」に似てるかもしれません。声に出して確認させることで、万一の不注意を防ごうというものでしょうけれど、それすら当たり前になって確認の気持ちが減れば、意味のない掛け声になってしまいます。
パソコンの世界は便利です。ボタンを押せば、すぐにクォリティの高い画面が手に入ります。でも…そこには、自分の意図を反映させる機会が含まれていない事、なぜこうなるのか、どうしてこうするのか…私たちが、声に出して確認して進めなければならない事が、多分たくさんあるのだと思います。
最前線の医療関係者の皆様、ひるまないでいただきたいと思います。細心の注意を払いながら、最善を尽くしていただいている事を、信じています。