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銃刀法違反容疑でびわ湖放送を捜索

2009-06-04 09:19:49 | Weblog
『番組で手に取っただけで銃刀法違反容疑、びわ湖放送を捜索』
 「タレントの原田伸郎さん(57)が、びわ湖放送のテレビ番組で許可なく猟銃を手に取ったとして、滋賀県警が、同放送本社を銃刀法違反容疑で捜索していたことがわかった。
 (中略)捜査関係者によると、番組は、1月17日に同県余呉町から生放送された「ときめき滋賀’S」。このなかで、原田さんは地元の猟友会員(49)から猟銃を渡され、手にしたという。原田さんは県公安委員会から猟銃所持の許可は受けていなかった。
 びわ湖放送の伊藤彰彦・編成部長は「猟銃を手に取っただけで、所持には当たらないと認識している。捜査には協力していきたい」と話している(2009年6月1日22時48分 読売新聞)。

 6秒間、猟銃を手にしただけであり、警察の行動はちょっと常識では考えられません。銃刀法の所持の解釈が問題になっているようですが、私は捜査の妥当性の方が気になります。銃刀法の趣旨が銃刀を使った犯罪の防止ということであれば、このケースは犯罪に結びつく可能性があるとは考えられず、捜査は趣旨から外れたものと言わざるを得ません。

 法を杓子定規に運用したのであればちょっと子供じみています。また捜索を許した裁判所の判断にも疑問を感じます。家宅捜索してどんな証拠を探し出そうというのでしょうか。また4ヶ月も経ってからの捜索にも釈然としないものが感じられ、裏側に別の事情があるのではないかと勘ぐりたくなります。警察とマスメディアの馴れ合いがよく言われますが、仲違いでもあったのではないかと。

 今回のようなケースは、仮に警察が放置していても、誰も困らず、銃犯罪が増える懸念もないわけで、捜査の必要性があるとは思えません。捜査するか否かは警察の裁量に任される領域で、言い換えれば警察の恣意性が働きやすい領域です。それだけに常識に沿った判断が求められます。市民の常識から外れた判断しかできなければ、裁判員制度にならって、警察にも警察員という市民を入れる必要があるでしょう。

 警察は税金で運営される有限のリソースですから、手掛ける事件には優先順位がある筈です。法の趣旨から外れた形式的な運用までするのであれば、優先順位を間違えているのではないかという疑問が生じます。もし優先順位が正しければ、他に仕事がないのかと思われるでしょう。いずれにせよ、メディアはなぜ捜査したのか、理由を警察に問うべきでしょう。

 気になるのは、直接の関係者であるマスメディアの反応が少し及び腰に感じられることです。恣意的な捜査であればもちろんのこと、非常識なものだとしても、もっと大きく取り上げて「再発防止」に努めるべきだと思います。いつも情報をもらっている弱みがあるのでしょうか。

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