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左翼メディアの硬直化現象

2014-03-10 10:10:51 | マスメディア
 中国の国防予算が前年実績比12・2%増の約8082億元(約13兆円)となり、4年連続2桁の伸びで、日本の防衛費の3倍近くに膨れあがったと報じられました。これに対して、主要5紙はそろって翌6日付の社説で取り上げました。

 最も危機感の薄いのが毎日で、国防費の増加に対しては2~3行触れただけで、懸念を示すという程度です。逆に危機感が強いのは産経で、中国の軍事的脅威を示した上「政府は防衛予算や自衛隊員数のさらなる確保に、国民の理解を求めるときではないか」と脅威を現実のものとして捉えています。

 朝日は読売と同様、社説では中国国防費の増加に強い懸念を示していますが、二面に載せた記事は扱いが大きいとは言えず、中国の軍事的脅威を一般に知らせたくない姿勢が感じられます(社説を読む人がごく少数なのを知ってのことでしょう)。

 巨額の予算を用いて軍事力を着々と増強するのには相応の目的がある筈です。あたりまえのことでが、それは軍事力の行使かそれによる威嚇以外に考えられません。まあ時には災害救助もあるでしょうが、空母や核ミサイル、ステルス戦闘機はちょっと使い勝手がよろしくないと思いますね。

 ところが、この隣国による軍事的脅威に対する認識は左派と右派では大きく異なります。しかし国際情勢の認識は客観的であるべきもので、政治的立場によって認識が異なるのはおかしい話です。左派が平等な社会を目指す、ということなら理解できますが、これは国際関係の認識の問題です。

 「九条の会」のように平和憲法さえあれば平和が守られるという考えは日本の周辺に優勢な軍事力を持つ国がない状況においてのみ成立します。彼らには外国から仕掛けられる戦争という概念が全く欠落しているようです。

 哲学者、田中美知太郎氏の「いわゆる平和憲法だけで平和が保障されるなら、ついでに台風の襲来も、憲法で禁止しておいた方がよかったかも知れない」という言葉は彼らの夢想をうまく皮肉っています。

 それは恐らく、彼らが共産国は平和主義であり、決して他国を侵略したりはしないという幻想を信じ続けていたためでしょう。しかしハンガリー動乱における旧ソ連の軍事介入(1956)、同アフガニスタン侵攻(1979)、中国によるベトナム侵攻(共産国同士の中越戦争1979)、同チベット侵攻(1950)などによってその幻想は徐々に消えていきました。

 ただこれらの事件はあまり報道されず、ご存知ない方も少なくないと思います。圧倒的な報道量があったベトナム戦争とは雲泥の差があります。多くの日本のメディアが左よりであったためですが、共産国の軍事侵攻に対する過小な報道は隣国の軍事的脅威を軽視することにつながったと思われます。

 そしてソ連の崩壊もあって、まともな頭の人は左派から離れていきました。このような環境の激変にもかかわらず、全くブレない方々がいるわけですが、実は化石のにように硬直化しているだけだ思います。九条の会の発起人らがみな超高齢であることは硬直化を示すひとつの例です。

 高齢による硬直化は仕方がありませんが、左派メディアを支配する現役の人たちの硬直化はなぜでしょうか。頑固な性格や、変化に対応しようとしない怠慢も大きな要素だと思いますが、それに加えて営業上の理由が大きいのではないかと思います。

 エログロを売りにしていた雑誌が急にまともになれば、既存の読者を失います。褒められたことではないとわかっていても魅力的な記事を載せてエログロファンを増やすのが正しい営業政策なのです。社会党は初めて政権を手にしたとき、自衛隊を認めるという現実路線を採ったために、古い支持者から見放されて凋落しました。時代に合わないとわかっていても頑なに変化を拒絶することが延命の道なのです。

 特定秘密保護法や集団安全保障をめぐる意見の対立は中国の軍事的脅威に対する認識の違いから生じたものと考えられます。つまり現政権は中国の軍事的脅威をかなり深刻に捉えていることが推定できます。

 隣国との軍事力の差が大きくなれば均衡が破れ、戦争の危険が増すことは歴史の教えるところです。情勢の変化に適応しない、硬直化したメディアは隣国の脅威を過小に見せ、抑止力の必要性を軽視させることによって、戦争の危険を増やしていると言えるでしょう。

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