噛みつき評論 ブログ版

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押し紙・・・新聞がひた隠す業界の暗部

2007-06-19 20:55:17 | Weblog
 押し紙とは新聞社が新聞販売店に販売した新聞のうち、購読者に届けられたなかったものである。販売店は新聞社に代金を払うが、新聞そのものは廃棄される。その数が全体の約2割、毎日1000万部くらいあると云われている。もったいない話である。

 2002年の毎日新聞の内部資料によると、新聞社が販売した総数の395万3,644に対して、読者に購入された数は250万9,139で144万4505が押し紙ということになる。率にすると36.5%になる。読売は推定2割、朝日は同2~3割という。資料はMy News Japan (http://www.mynewsjapan.com/kobetsu.jsp?sn=234)より

 なぜこんな不思議なことが起こるのかというと、ひとつは新聞社の売り上げを増やすためだが、もうひとつは販売部数に比例する広告料を高くとるためらしい。毎日の場合だと押し紙をやめると新聞販売の売り上げが36.5%も減り、広告収入も多分同程度減ることになるだろう。

 またこの仕組みは販売店にかなりの痛みを強いるものであるにもかかわらず、維持されるのは、新聞社の販売店に対する優越的な立場のためであろう。すべて販売店の犠牲というわけではなく、押し紙の代わりに販売奨励金などの名目で販売店に埋め合わせをしていることが多い。また販売数を多く見せることによってチラシの手数料の増加につながるという販売店の利点もあるようだ。

 もし事実だとすると、毎日1000万部がそのまま廃棄されるのは資源の大きな無駄であり、またその費用は読者の負担になっているのだ。さらに実販売数を偽り、広告費やチラシ手数料を高く取ることは詐欺と変わらない。

 ここは公正取引委員会の出番であろう。新聞社が優越的地位を利用して不公正な取引が行われていないか、広告料の根拠が虚偽でないか、調査してほしい。国民経済上の無駄をなくすためにも。

 日頃、企業や政府機関に厳しいことを言っている新聞社ならば、そろそろ自らの身辺をきれいにすべきではないだろうか。1000万部を無駄にしながら、環境問題をゴチャゴチャ云うのは二枚舌と言うものだ。

 この問題(不都合な真実?)は新聞が決して報じないために一般に知られることは少なかった。ネットメディアが認知される良い機会である。



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