普天間基地の移設が外交・防衛の問題として注目を集めているさなか、11月11日付の朝日新聞の天声人語は以下のように述べています(要約)。
『ある日、沖縄戦後の日本人収容所の前に男が現れ「残った者が元気でないと死んだ人が浮かばれぬ。命(ヌチ)のお祝いをしよう」。だが、命のリレーはままならず、彼らの子どもらを再び悲劇が襲う。市立宮森小に米戦闘機が落ち、児童11人を含む17人が死亡、200人超が負傷して50年になる。戦争で踏みにじられた後も、この島は異国の戦に酷使されてきた。度重なる墜落事故や性犯罪で流された血涙は、同盟のコストといった乾いた言葉ではくくれない。普天間飛行場の問題も積年の我慢と怒りの先にある』
「度重なる墜落事故や性犯罪で流された血涙」「積年の我慢と怒りの先にある」。激しく感情に訴えるという点では見事な、煽動文の模範のような文章なのですが、複雑な外交・防衛の問題が議論されているとき、50年前の事故まで出して沖縄の犠牲を感情に訴えるような新聞記事は果たして適切でしょうか。沖縄の犠牲を軽視するつもりはありませんが、犠牲をあまりに強調すれば、冷静さを奪い、最終的に判断を誤るという懸念があります。
外交・防衛は重要かつ難しい問題で、周辺諸国との将来の関係まで見通すことが必要です。関係諸国の将来にわたる政治的安定性や方向性の変化、軍事力の変化などの予測が判断の要素になるでしょう。多くの要素のそれぞれにウエイトつけをする必要もあります。詳しいことはわかりませんが、一時の感情によって素人が判断していいような簡単なものでないことだけは確かだと思います。
感情に訴えることにより政策への影響を意図することは、この新聞では珍しいことではありませんが、複雑な問題に感情的なバイアスを与えることによって生じる危険をきちんと予測しているのでしょうか。個人的な署名記事ならまだしも、公器を自称する新聞の一面に掲載されるのは疑問です。コラムといっても署名はなく、朝日新聞の意見として受けとられる可能性が高いと思われます。
この記事は基地の県外・国外移設を主張する人々を勇気付けることになります。その延長線上には米国との緊張状態が生じることも考えられます。まあそうなれば朝日は中国に感謝されるでしょうが。
「反日」というレッテルを何枚も貼られている朝日新聞がどんな意図を持っているかは知りませんが、政治に影響が及ぶ煽動記事は、中立を看板に掲げた公器としてふさわしいものとは思えません。逆に冷静な議論を呼びかけることが公器の役割です。このような泥臭い姿勢は洗練されたジャーナリズムとは言えません。
一昨日(11/28)の朝日夕刊の記事「昭和史再訪」には第一次石油危機について書かれています。トイレットペーパーの買付け騒ぎによって店頭から商品が消えつつあるとき、朝日は「2年分を買いためた主婦を大きな写真入で掲載した」と恥じることなく紹介しています。
どのような色付で書いたものかわかりませんが、普通に書けば騒ぎを促進する方に作用するのは明らかです。まあ報道の結果に責任を持たない姿勢はブレていませんけれど。
天声人語といえば元執筆者・栗田亘氏が「新聞社の方針」に基づく記事の作り方について興味深い「告白」をされています。(参考拙記事 「街の声」の欺瞞)
『ある日、沖縄戦後の日本人収容所の前に男が現れ「残った者が元気でないと死んだ人が浮かばれぬ。命(ヌチ)のお祝いをしよう」。だが、命のリレーはままならず、彼らの子どもらを再び悲劇が襲う。市立宮森小に米戦闘機が落ち、児童11人を含む17人が死亡、200人超が負傷して50年になる。戦争で踏みにじられた後も、この島は異国の戦に酷使されてきた。度重なる墜落事故や性犯罪で流された血涙は、同盟のコストといった乾いた言葉ではくくれない。普天間飛行場の問題も積年の我慢と怒りの先にある』
「度重なる墜落事故や性犯罪で流された血涙」「積年の我慢と怒りの先にある」。激しく感情に訴えるという点では見事な、煽動文の模範のような文章なのですが、複雑な外交・防衛の問題が議論されているとき、50年前の事故まで出して沖縄の犠牲を感情に訴えるような新聞記事は果たして適切でしょうか。沖縄の犠牲を軽視するつもりはありませんが、犠牲をあまりに強調すれば、冷静さを奪い、最終的に判断を誤るという懸念があります。
外交・防衛は重要かつ難しい問題で、周辺諸国との将来の関係まで見通すことが必要です。関係諸国の将来にわたる政治的安定性や方向性の変化、軍事力の変化などの予測が判断の要素になるでしょう。多くの要素のそれぞれにウエイトつけをする必要もあります。詳しいことはわかりませんが、一時の感情によって素人が判断していいような簡単なものでないことだけは確かだと思います。
感情に訴えることにより政策への影響を意図することは、この新聞では珍しいことではありませんが、複雑な問題に感情的なバイアスを与えることによって生じる危険をきちんと予測しているのでしょうか。個人的な署名記事ならまだしも、公器を自称する新聞の一面に掲載されるのは疑問です。コラムといっても署名はなく、朝日新聞の意見として受けとられる可能性が高いと思われます。
この記事は基地の県外・国外移設を主張する人々を勇気付けることになります。その延長線上には米国との緊張状態が生じることも考えられます。まあそうなれば朝日は中国に感謝されるでしょうが。
「反日」というレッテルを何枚も貼られている朝日新聞がどんな意図を持っているかは知りませんが、政治に影響が及ぶ煽動記事は、中立を看板に掲げた公器としてふさわしいものとは思えません。逆に冷静な議論を呼びかけることが公器の役割です。このような泥臭い姿勢は洗練されたジャーナリズムとは言えません。
一昨日(11/28)の朝日夕刊の記事「昭和史再訪」には第一次石油危機について書かれています。トイレットペーパーの買付け騒ぎによって店頭から商品が消えつつあるとき、朝日は「2年分を買いためた主婦を大きな写真入で掲載した」と恥じることなく紹介しています。
どのような色付で書いたものかわかりませんが、普通に書けば騒ぎを促進する方に作用するのは明らかです。まあ報道の結果に責任を持たない姿勢はブレていませんけれど。
天声人語といえば元執筆者・栗田亘氏が「新聞社の方針」に基づく記事の作り方について興味深い「告白」をされています。(参考拙記事 「街の声」の欺瞞)
鳩山由紀夫は衆院選で普天間基地は県外に移設すると主張した。沖縄県民の票を狙った発言である。しかし、県外とは具体的にどこなのかは語れなかったし、今も語れない。
具体的な構想があって言ったわけでなく、また移設される県の県民の票が逃げるから語れない。
名護市の米軍基地沖に移設する合意を、鳩山由紀夫はなぜひっくり返すのか、民主党政権は説明できない。
民主党だって実をとるほうを選ぶでしょう。国家間の取り決めを反古にするガッツが鳩山氏にあるとは思えないし(子ブッシュはやりましたけどね。クリントン時代に締結した京都議定書の破棄を)。
しかし民主党には国益よりも理想を優先させかねない危うさはつねに漂ってますから一抹の不安はありますね( ̄▽ ̄;)
いっそ中国と軍事同盟結べば朝日新聞も納得!?
そんで太平洋側にくまなく中国海軍が駐留する。日本海側のシーレーンは北朝鮮に一任だ! 日本は国防費を大幅に削減して朝鮮と中国に使途不明の無償援助をガンガン注ぎ込む。外交も中国共産党の指示に従っていればいいんだから何も考えず誰でもやれる。そう、日本の無能な政治家でもオッケーだ。
めでたしめでたし、ドントハレ………
朝日新聞社、なんとかして!あと岡田と小沢とチャイナスクール!!(>_<)
基地問題だけでなく、他のほとんどのことで具体性がありません。いくら機関紙が応援しても、あまり意味がないというわけですか。
朝日新聞の未来の「理想ストーリー」、笑ってしまいました。