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核の威力と魅力

2018-06-10 22:02:11 | マスメディア
 人口2500万人、経済規模は韓国の45分の1という小国がアメリカと対等に話ができることになりそうだ。核攻撃能力が完成したと確認できたわけではないのに、とにかく核の力は大したものである。世界は核の威力を改めて認識したと思う。但し、日本だけは別だろう。

 核保有という言葉すら出せない状態が長く続いた。日本は唯一の被爆国だからもう核はごめんだ、という感情が強いこともある。だが日本がもし核攻撃されるとすれば、それは相手国の核が使われる場合で、日本の保有する核が日本に使用されることは考えられない。むしろ日本の核保有は外国からの攻撃に対する強い抑止力として平和に貢献する。核攻撃されたくなければ核を保有すべきであることは現実的な選択である。子供でも分かる道理だが、なぜか永年これがタブーとされてきた。

 雑誌「正論7月号」には著名な人口学者エマニュエル・ドット氏の記事が載っているが、ここでドット氏は次のように述べている。
「フランス人にとっての核兵器は戦争の対極にあります。戦争を不可能にするものです。フランスは核を保有したからこそドイツとも信頼関係を築けたのです。アメリカが日本を守るために核をつかうことはないでしょう。核兵器は自国のためだけに使えるものだからです」また「私は左派で平和主義者、戦争が嫌いです」とも。

 とりわけ今の日本を取り巻く国際関係からみれば十分理解できる現実的な議論である。他国の核を放棄させることができれば理想的だが、口で言うだけでは何の効果もない。ならば次善の策として自国の核保有が現実的な選択となる。平和を願うのであればの話だが、魅力的な選択である。

 北朝鮮を米国との会談にまで引き出すことができたのは国際的な制裁のおかげでもあったが、米国の軍事力の威圧が大きいとされている。軍事力が果たした役割については何故か我が国のメディアはあまり評価していないように感じる。一方、拉致問題に関する日本の要求など、北朝鮮は歯牙にもかけない。今回、北朝鮮が首脳外交をしているのは韓国を除けば米国、中国、ロシア、と核戦力を持つ国ばかりである。軍事力を持たない国、持っていても専守防衛などといって攻撃力を封じられている国など交渉相手にすらしてもらえない。

 国際環境が大きく変わっているのに旧態依然の思考から抜け出すことができないのは政治家、学者、マスコミ、政党などの知的怠慢であろう。理想論に価値がないとは言わないが、英米仏露など核保有国の現実的路線をせめて検討するぐらいの柔軟さを持ってほしいと思う。現実には核保有は困難な道であることも確かである。しかし核保有を主張する政党くらいは表われ、自由な議論が行われてもよい。それだけでも外交のカードになる。一年以上もモリカケ問題を追及する野党6党よりずっと国の将来ためになると思う。


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