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中国が日本メディアをチェックしていると爆弾発言

2020-07-19 21:19:47 | マスメディア
 7月6日のテレビ朝日ワイドスクランブルで、小松アナウンサーが以下のような発言をしたと騒ぎになっている。これが事実ならメディアを揺るがす、爆弾発言である。発言は以下の通り。

 『これあの、我々メディアも実は…瀬尾さんも出版出身だからお分かりだと思うんですけど、非常に扱いにくい問題なんですよねウイグル問題って。それからやっぱりその中国当局のチェックも入りますし。だから、我々報道機関でもウイグル自治区のニュースを扱うというのもこれまでややタブーとされてきた部分もあって、でも私は去年、共産党の内部告発の文書が出て、ニューヨークタイムズも報じて西側のメディアが報じて、つまり、我々が報じやすい素地ができたということは、おそらく中国共産党内部に、力関係なんでしょうか、何かウイグル問題を出してそれをダシにして権力構造を変えてもいいという動きがあるのかなとすら瀬尾さん思うんですよね』
 小松アナウンサーの実況動画はここで見られる。

 テレ朝の報道に中国のチェックが入るって、まさに驚天動地、わが耳を疑うほどの事態である。しかもテレ朝だけでなく、我々報道機関とあるようにメディア全体をさしているようにも受け取れる。事あるごとに報道の自由を叫んできたメディアが他国のチェックを受け、それに従っていたとはダブルスタンダードも甚だしい。読者・視聴者に事実を知らせるというメディアの役割を放棄しているわけで、読者・視聴者への重大な裏切りである。

 中国のチェック、あるいは中国への忖度によって歪められた記事はウィグル関連だけではないと思われる。過去数十年、南京事件、靖国問題、日本の防衛問題などに於いて朝日・毎日はことごとく中国側に立つ報道してきた。なぜ日本のメディアがここまで中国側に立つのかと不思議に思われた方もあるだろうが、このような話を聞くと納得がいく。

 この問題には歴史的な経緯がある。それをいまだに引きずっているとは思ってなかったが、事実は継続していることを示している。文化大革命の時期の1967年、中国は産経、日経、毎日、共同などの北京支局を追放した。これら各社が中国が気に入らない報道(つまり正しい報道)をしたためである。しかしただ一人、朝日だけは残留を許された。朝日はその代りに中国のお気に入り記事を書くということになったのである。現在、各社の支局は復帰しているが、今でも気に入らない記事を書いたメディアに対してはビザを発給しないなどの「制裁」を加えている。これは表側で、裏側には、もしかしたら利益供与・便益供与があって、それを止めるという脅しがなどがあるのかもしれない。

 これは日本のメディアの姿勢に関わる、実に衝撃的な発言であるが、騒いでいるのはネットばかりで、地上波テレビは沈黙している。そりゃそうだろう、騒いだばかりに自分たちも中国に影響下にあることがバレたら目も当てられない。気になるのは各メディアごとの影響力の程度と範囲である。場合によっては国益を左右する由々しき問題になろう。中国の他国に対する工作は有名で、最近はオーストラリアに対する工作がバレて、関係が悪くなり、オーストラリアは国防費を10年で20兆円、40%増額すること方針であるという。中国の軍事的脅威に対応するためと見られている。40%もの増額は中国の軍事的脅威の深刻さを示している。中国に対する日本の楽観は中国のメディアチェックのおかげだろうか。

 オーストラリアに対する中国の工作を描いた本「目に見えぬ侵略」にはそのあたりの経緯が書かれているそうなので、いま注文したところである。とにかくこの話はモリカケ問題や桜を見る会問題とは比較にならないくらい重要である。野党は数多くあるが、取り上げるだけの見識のある野党は1党もないのか。メディア各社に対する影響力のレベル、その構造全体を是非知りたいものである。


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