噛みつき評論 ブログ版

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言論の自由というけれど

2014-03-24 09:26:35 | マスメディア
 大音量の街宣車を使って街中で自分達の主張を声高に叫ぶのは右翼の街宣活動です。言論の自由とはいうものの、反対意見を威圧する効果があり、好ましいものとは思えません。またオウム真理教の危険な教義が広まったのも言論の自由のおかげと言えるでしょう。言論の自由は無条件で崇めるものではありません。

 3月20日の朝日新聞大阪版の一面トップにデカデカと載ったのは「小学校から『ゲン』回収」「泉佐野市長 差別的表現を問題視」という見出しの記事です。記事のすぐそばにはナントカ大学のナントカ教授による「一部を捉えて閲覧制限、よくない」との見出しのコメントが載っていますが、市長に賛成する意見はどこにもありません。

 さらに社会面の半分以上を使い、泉佐野市長を批判する記事が並んでいます。さらに「声」(3/21)、社説(3/22)をも動員する執心ぶりです。昨年、松江市でも「はだしのゲン」をめぐって同じような非難の大報道がありましたが、今回は「まだ懲りない奴ら」を徹底的に黙らせる意図があるのでしょう。

 これだけ激しく書かれれば市長は次の選挙への影響を考えざるを得なくなります。他の自治体の議員や首長に対しても、このような「反左翼的行動」すれば次の選挙で落選するかもしれないよ、という恫喝メッセージとなります。暴力的な言論であり、右翼の街宣活動と大差ありません。

 朝日新聞は報道機関というより、まるで政治団体の機関紙のようです。朝日新聞の政治的な動機が優先する特殊な体質が改めて気になります。この背景には自分達が社会をリードする、つまり支配するという意識があるのでしょう。裏返せばこれは読者を見下すことです。また選挙で選ばれていない連中が支配するのも筋が通りません。

 本来、メディアとは名前の通り、情報を左から右へ伝えるものです。けれど情報の選択や編集によって思いのままにできる立場であるため、厳しく中立性が要求されます。しかし中立性を担保するものは、メディアとしての良心くらいです。だから良心のないメディアは困りものです。

 大手メディアは右翼の街宣活動よりはるかに強い影響力を持っています。しかも、右翼は初めから特殊なものという認識がありますが、新聞は公正中立なものという「誤解」があるため、その影響力はさらに強いものとなります。

 言論の自由は重要なものですが、それにはおかしい言論や有害な言論が少々あっても全体としてはまともな言論が大勢を占めるだろうという前提があったのだと思われます。つまり大手の報道機関がまるごとおかしくなるような事態は想定していなかったのでしょう。このようなメディアや宗教がさらに巨大化すれば言論の自由は維持が難しくなります。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
自由を満喫するメディア (onecat01)
2014-03-26 22:00:00
 ため息がつきたくなるほど、賛同せずにおれないご意見でした。いつものことながら。
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Unknown (okada)
2014-03-27 17:23:48
メディアの横暴ぶりが普通になってしまって、あまり感じなくなっているので困ります。分際をわきまえてほしいものです。
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