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選挙への関心、外交防衛は8%の意味

2019-07-14 23:02:51 | マスメディア
 トランプ政権は主力戦車108両など22億ドル相当の武器を台湾に売却すると発表した。これに対して中国外務省は12日、「関与したアメリカ企業に制裁を加える」と警告したという。そして「武器売却は中国の主権と国家の安全を損なうものだ」と猛反発している。1月、習主席は台湾を統一するには「武力行使も選択肢」だと公言している。正直な国とも言えるが、実は脅しでもあろう。

 なぜ台湾への武器売却が中国の安全を損なうのか、不思議に思われる方もあるだろう。台湾が中国に戦争を仕掛けるのはまず考えられないから、中国の安全を損なうというのは台湾を武力侵攻したときに中国の損害が大きくなるということである。つまり台湾にとって軍事力の増強は抑止力になり、台湾の平和に貢献することに間違いない。

 一方で、この国は毎日のように4隻の艦船を尖閣諸島周辺海域を航行させるという地道な努力を続けている。奪うつもりがなければこんな面倒なことはしない。これがお隣の国であり、事実上終身皇帝が統治する全体主義国家である。しかも将来、この国がどういう方向に向かうのか予測は難しい。

 さて参院選に向けたNHKの世論調査によると、投票先を選ぶ際に最も重視することという質問に対し、最も多いのは社会保障で32%、外交防衛は8%に過ぎない。現在の日本が置かれた状況からみてこの8%はあまりにも低すぎるように思う。

 第二次世界大戦はドイツによって始められたが、周囲の多くの国はドイツがヨーロッパ全土を戦争に巻き込むとは予想しなかっただろう。戦争前のドイツの軍事力は急拡大していたが、大規模な侵攻を予測できなかったわけである。必要もないのに軍事力を急増させる国には直接に、あるいは脅しなど間接的にそれを使う下心があると認識すべきである。利用価値のないものに莫大な投資などしない。とくに空母などの海軍力の急速な増強が何を目的にしているか、もっと警戒感を持って観察した方がよい。マスコミは無関心すぎる。

 中国の軍事的脅威は多くの人が少しは感じていると思う。しかし戦争など、どこか遠い国の話で、所詮、他人事(ひとごと)という感覚が抜けきれないのではないか。70余年の平和が続いたせいもあるが、大きいのは日本のマスコミが長年作り上げてきた世界観にあると思う。

 第二次大戦で戦争には懲り懲りと思ったのは国民もマスコミも同じである。けど、懲りずに2度も世界大戦を引き起こしたドイツの例があり、日本が再び強い軍事力を持たないようにすることは当時は合理性があった。軍事力の強化に反対することは平和に貢献すると考えられ、マスコミはこの風潮を後押しした。周辺国の軍事力が増大しても、その脅威を大きく報道することはなかった。日本の軍備強化を何とかして阻止したかったわけである。

 しかし現在は状況が全く異なる。日本の政治は安定し、他国を侵略する必要もなければ、それが利益になる状況でもない。もし戦争が起きるとすれば逆に侵略される場合である。しかしマスコミの報道姿勢はあまり変わらない。軍事的脅威を抑制的に報道する。その結果がこの外交防衛は8%という数字なのである。軍事的脅威を低く認識することは抑止力の必要を過小評価し、抑止力増強の動きを封じようとする。戦争法案反対と叫んだように。しかしそれは中国の利益につながる。

 福祉に関心が向くのも理解できる。しかし外交防衛問題は不確実な未来に備えるものなので、無駄に終わる可能性がある一方、失敗すれば戦争になる可能性もある。そうなれば福祉どころの騒ぎではなくなる。外交防衛に関する政府の関心は強いが、それは現状の認識がちゃんとできているからだろう。マスコミは数十年経っても情勢の変化を認識できていない。本当に頭が悪いのか、それとも意図的に日本以外の利益を図っているのか、わからないが。抑止力の強化を妨害して、日本の平和を脅かしているのは左派のマスコミであるとも言える。
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