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信条により学長解任

2016-02-08 09:00:31 | マスメディア
『昨年の11月、同志社大学で学長選挙があり、現学長の村田晃嗣氏は松岡敬氏に敗れ、再選はならなかった。村田氏は昨年7月、衆院特別委の中央公聴会で「中国が力をつけるなか、日米同盟の強化は理にかなっている」と安保法案に肯定的な意見を述べた。教授や准教授ら教職員有志51人が「良心教育を基軸とした本学のイメージを大きく損なった。心から恥ずかしく思う」との声明を出すなど、学内で批判が高まっていた』(11/7 朝日記事要約に一部補足)

 簡単にいうと安保法案に賛成した村田学長は良心教育に反すると言いたいのでしょうか。つまり安保法案に賛成するものは良心がないとも受けとれます。安保法制と良心と関係、いささか理解できかねます。偉い学者センセイ達がお考えになったことなので難しい意味があるのでしょうけど、浅学の身には理解不能であります。

 選挙という形式は責任の所在が曖昧ですが、ともかく大学の学長が政治的な信条を理由として職を解かれることには違いありません。朝日は小さい扱いですが、この解任について批判的な論調は全くありません。もし逆に左派の学長が安保法案に反対したことで解任されるようなことがあれば、左派のメディァは恐らく大騒ぎするでしょう。

 憲法第14条にはこう書いてあります。「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」

 選挙は専任の教職員らによる投票ということですが、多数の教職員が実質的に信条を理由として差別、解任したわけです。解任の主謀者や賛成した教職員には憲法違反の疑いがあります。恐らく今後は安保法制に賛成するような人が学長になることはなく、大学の政治的傾向も決まると思われます。こんなところに、憲法に保障された学問の自由があるのでしょうか。

 これが大学という公共財であるから問題だと思うわけです。ここでは良心教育=安保法制反対だそうですから、学生達にもそういう教育がされる心配があります。

 注目したいのは教職員有志が学長の政治的信条を理由とする声明を堂々と出して選挙を左右したことです。憲法の理念に抵触するようなことを堂々と声明に出す世界があることに驚きました。自分達の考えが絶対的に正しいと考えておられるのでしょうが、それは怖いことです。相対的な見方を排し、絶対的に信じるのは宗教と左翼思想の特徴ですけれど。