噛みつき評論 ブログ版

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左翼の非情さ

2014-01-20 09:24:58 | マスメディア
 猪瀬氏が都知事を辞職してから1ヶ月も経った1月18日、朝日は猪瀬氏側に不利な材料が見つかったとして、5000万円問題を一面トップで蒸し返しています。このニュースにそれほどの価値があるとはとても思えません。このしつこさはいったいどこから来るのでしょうか。

 猪瀬氏の辞職直後、朝日は天声人語に「責任は知事を辞めても帳消しになるわけではない」と書き、読者の声欄には「今後、司直の手に委ねたい」という投稿を掲載しました。政党の中では共産党の「疑惑の真相究明と責任追及は引き続きおこなう必要がある」と他党にない厳しい主張が目立ちました。また市民団体は東京地検に告発しました(市民団体と言えばたいてい左翼団体を指します。プロ市民とも)。

 功績もあり、また都知事辞任という社会的制裁を受けたのだから、これ以上の責任追及はしなくてもよい、という気持ちの方も多いのではないかと思います。しかし左翼系の方々のお気持ちは少し異るようです。99の功績と1の罪でも、罪は罪であり、変ることはない、という論理なのでしょう。単純でわかりやすいのですが、理屈っぽい子供に似ています。

 最近、北朝鮮で張成沢氏らが粛清された事件がありました。もともと共産主義国家は政治的な粛清と縁が深く、スターリン(2000万人)、毛沢東(5000万人)、ポルポト(100万人)らは多数の自国民を殺戮したことでも有名です(彼らは「私は〇千万人も殺戮した」と胸を張って発表したわけではないので殺戮数には諸説あります)。また最初の共産主義革命であるロシア革命では、革命政権がロマノフ王朝のニコライ二世の家族を女子供まで含めて処刑しました。

 このような残虐なことが共産主義諸国に頻発したのは、恐怖で支配する必要があったことが理由のひとつだと思われます。その国家体制は人間本来の性格と相容れない部分が多いため不満が噴出しやすく、強権で押さえつける必要があったのでしょう。またかつての支配階級に対するルサンチマン(憎悪、嫉妬などの鬱積)が共産主義政権成立の要素のひとつであることも理由に挙げられると思います。

 少し飛躍があるのは承知の上ですが、共産主義の特質である非情な厳格さ、厳しい責任追及の姿勢は現在の左翼にも受け継がれているのではないでしょうか。その姿勢と都知事への責任追及の厳格さとは一脈通じるところがあるように思います。

 過去の遺物を捨て、非情の代わりに寛容をと言いたいところですが、一度身についたクセを拭い去るのは難しいようです。もっとも、自覚があるのかすら怪しいものですけど。

 共産主義国家には明るい社会というイメージはありません。そういえばワイドショーなどで見かける人達のうち、左よりの人は暗い顔が多いような気がします(個人的感想です)。