噛みつき評論 ブログ版

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中国・韓国と朝日の類似性

2013-07-22 10:03:27 | マスメディア
 二つの会社が裁判で争いながらも、従来どおりの取引を続けることはよくあることです。これは双方にとって利益があるからで、大人の関係と言えるでしょう。中国や韓国との関係はそうはいきません。歴史や領土などの問題がこじれると国全体が炎上し、悪影響が全体に及びます。国という組織があたかもひとりの人間のように強い感情をもっているかのようであり、いささか子供じみています。

 組織であるのに強い感情を持っている例は他にもあります。朝日新聞の東電に対する相次ぐ「あら捜し」には否定的な感情の存在が感じられます。7月16日の朝刊の一面トップは「東電用地買収に裏金疑惑」として07~08年の工作を大きく報じています。しかし他紙の追随も見あたらず、さほど重要視されていないようです。

 少し前の6月5日、やはり一面に載った「格納容器の圧力を誤認」という記事も朝日の独り舞台といえるものです。2号機の事故直後、原子炉格納容器の圧力を実際より約10倍高いと誤認し、機密性が保持されていると判断して冷却水の注入を減らし、放射性物質が大量に飛散した恐れがあると指摘した記事です。

 つまり東電は愚かにも圧力を誤認したことで放射性物質が大量に飛散させた可能性があると言いたいわけです。これに対して東電は同日、同社のHPで『朝日新聞1面 「原子炉内圧力を誤計算 東電、注水減らす」について』という反論を掲載しています。

 詳細は上記のリンク先をお読みいただきたいのですが、簡単に言うと、誤った数値が伝わったことは事実であるが、注水量の減少操作はその数値が訂正された後のことで、朝日の指摘はあたらないとし、この経緯はTV会議映像記録により確認したとあります。またその前後、空間線量率に変化がなかったとして、朝日による放射性物質が大量に飛散という懸念をも否定しています。

 しかし東電の反論を朝日が掲載したり、東電の反論に朝日が紙上で再反論することはなかったようです。結局、東電の反論はほとんど人に知られることなく、朝日の東電非難記事だけが人々の記憶に残ることでしょう。どちらが正しいかではなく、声の大きいものが勝つというわけです。東電に事前確認もせず、言いがかりになるかもしれないものを世に公表し、相手の反論は黙殺する、これはアンフェアなやり方です。これが社会の公器とは恐れ入ります。

 事故などを起こして弱っている者を悪者に仕立て上げ、さらに叩くのは朝日の伝統的な習性です(読者への迎合を狙ったものでしょうけど)。他紙が無視するような些細なことを次々と一面に載せる姿勢からは、東電に対するルサンチマン(恨みや憎悪の鬱積)の存在が感じられます。これを反原発につなげようという打算もあるでしょうけど。

 感情的になり、些細なことまで相手を攻撃する、これは中国や韓国のやり方を思わせるものがあります。大人気ない態度ですが、中韓ではそうしないと国民の反発を招くのかもしれません。つまり国民への迎合なのでしょう。そうだとすると中韓の政府の態度はそれぞれの国民の意識の反映と言えるでしょう。

 それは朝日にとっても同様です。朝日の大人気ない姿勢が読者への迎合から生じたものと考えれば、それは自らが育てた読者の幼児性の反映かもしれません。またマスメディアという情報の伝達者に必要なものは冷静さであって、カッカする熱い感情ではないと思うのですが。