静聴雨読

歴史文化を読み解く

ドイツ:絵と音楽の旅 15

2014-04-21 07:28:53 | 異文化紀行

 

(15)ブラームスとテーレマン

ハンブルクはブラームスの生まれた街。ブラームス博物館にいってみた。長屋風の建物の1階と2階を使って展示されているが、面白みはない。係員は座っているだけ。

どうも、このところ、私とブラームスの相性はよくない。

バーデン・バーデンでブラームス博物館に行ったところ(2013年3月)、イースター前の聖金曜日で休館、そして今度も面白みのない博物館に当たった。

バーデン・バーデンで聴いたブラームス『ピアノ協奏曲第1番』(サイモン・ラトル指揮、ベルリン・フィルハーモニー、クリスティアン・ツィマーマンのピアノ)もベルリンで聴いたブラームス『ピアノ協奏曲第2番』(ズビン・メータ指揮、ベルリン・シュターツカペレ、ダニエル・バレンボイムのピアノ)も心を打たなかった。

ブラームス博物館と同じ長屋にあるテーレマン博物館に寄ってみた。ゲオルク・フリードリッヒ・テーレマン。バッハ・ヴィヴァルディと並ぶバロックの巨匠だ。テーレマンが生涯の後半40年ほどをここハンブルクで過ごしたことを不覚にも知らなかった。そういえば、『ハンブルクの汐の干満』という曲はテーレマンのものではなかったか? 若いころ、夜更かしして、ラジオから流れてくる皆川達雄の解説で、この曲を聴いた覚えがある。

この博物館の主人と話をした。

「テーレマンに『ハンブルクの汐の干満』という曲があったと思いますが?」

「ええ、Tide Level of Hamburg といいます。ハンブルグはいつも洪水に悩まされていました。それで、こんな名前を思いついたのでしょう。」

「今、その曲を聴くことができますか?」

「ええ、探してみましょう。申し訳ありません、近くにはないようです。」

この主人は、音楽家ではなく、ボランティアでこの博物館の番をしているとのこと。

(2014-04-09)