静聴雨読

歴史文化を読み解く

ベラルーシの風 1

2014-02-04 07:37:37 | 異文化紀行

 

ベラルーシのミンスクに行ってきた。昨年の7月、ヨーロッパ将棋選手権に参加するためだった。

ベラルーシってどこにあるの? と聞かれることが多い。私より年上の人(そんな人は今や少数派だが)には、「昔、白ロシアと呼ばれていました。」というと、通じることがある。私より年下の人には、「旧ソ連の解体とともに誕生した独立国家共同体CISの一員でした。今は独立しています。ロシアの西に位置しています。」と説明するとわかってもらえるが、この説明は長たらしくて不便だ。

一番簡便な説明は、ロシアの西、ウクライナの北、であろうか? これでわからなければ、説明をあきらめたほうがよい。

ベラルーシに入国するためにはビザが必要だ。私はモスクワ経由でベラルーシに入国するつもりだったが、旅行代理店でロシアの通過ビザも取得しなくてはなりません、といわれた。その意味がわからないまま、旅行を始めた。

成田のアエロフロートのカウンターで、モスクワでは入国手続きが必要で、そこから国内便に進んでください、といわれた。「皆さん、間違われるのですよ。」とのことだが、その意味がわからない。

モスクワに着いて、ロシアの入国手続きを済ませ、国際線ターミナルに向かおうとしたら、国内線ターミナルに行きなさい、と係員がいう。さて、どういうことだろう?

ミンスクに着いた。そこでは、入国審査はもとより、税関審査や悪名高い健康保険加入手続きも必要ない。なにしろ、係員がだれもいない。

ここで、ようやく、理解した。「ベラルーシはロシアの国内扱いになっているのだ」と。このことを、旅行代理店もアエロフロートのカウンターも教えてくれなかった。

フランクフルトなどからベラルーシに入国した人の話を聞くと、入国審査・税関審査・健康保険加入手続きなどで、時間と(少額ではあるが)金を費やした、とのこと。

結果として、ロシア経由でベラルーシに入国したことが正解だったわけだが、このことをもっとPRすればいいのに、と思った。 (2014-02-04)