静聴雨読

歴史文化を読み解く

「不要不急」の社会現象・1

2009-05-23 00:17:07 | 社会斜め読み
今回の「新型インフルエンザ」騒ぎで、改めて思い知らされたのは、「わが国には、どれだけ『不要不急』のものが溢れているのだろう。」ということです。緊急事態なので、「不要不急」のことは慎むように、という文脈で使われるわけですが、以下、その「不要不急」のものを列挙してみます:

1. ニューヨークに出かけて、国連の擬似会議に出席すること、あるいは、カナダに出かけて、体験留学してくること
2. ビーチバレー大会や浜崎あゆみのコンサートの中止を嘆くこと
3. 学校の休校を利用して、カラオケボックスに集まること

いずれも「なるほど」と思わせるものばかりで、日本人の活動の多くは「不要不急」のものばかりで、これらの「不要不急」を取り除いたら、日本のGDPは50%ダウンになり、失業率も急増することになりかねません。「不要不急」のものに人や資源を割けるのは、それだけ、わが国が豊かな国になっていることの証左ですが、その「不要不急」の象徴が今回の高校生諸君です。

「学校の休校を利用して、カラオケボックスに集まる」高校生が多いというニュ-スは外国特派員も本国に送ったそうです。休校だからヒマで、ヒマつぶしにカラオケボックスに行くという高校生の行動パターンは、笑えます。

おそらく、彼らは、休校中に自宅で学習する方法をまったく知らないのでしょう。学校でも、それを教えていないのでしょう。これが最大の問題です。 (つづく。2009/5)