”露の世は 露の世ながら さりながら 一茶”
人生は草の葉上の露のように陽が昇ると、ほろほろと落ちてしまう。無常であり儚いものである・・・。
神谷町の生活も後一ケ月。 ひさしぶりに薄日の射す今日、7年前に鬼籍入りしたN氏の私物の整理を思い立つ。
先ず目に入ったが、亡くなる年の一月に書かれた想い。宮司夫人と映った元気なころの写真が一緒に収められている。
四年越しの重篤な病に苦しんでいた当時の彼の気持ちが想い出される。命を終えたのは、その年の11月。 64歳
結局 何一つ処分できなかった。
N氏とご縁が出来た、30年近くの歳月は、決して過去ではない事を思い知らされる。
私が生きている限り、彼も生き続けている。
彼の生きた証の品々を、もう一度押入の一角に収める。