日曜日は、神谷町で書棚の整理を始めました。4年前まで、ここで生活していたN氏の蔵書がそのままになっています。
気になる本がありました。”癌告知のあとで”46歳で逝去された鈴木章子氏の随筆と詩の遺稿集でした。帰りの電車で頁を開きました。仏様を信じているひとりの女性の4年6ケ月に亘る感動の書です。
随筆の内容への納得と、癌で5年間闘病しながら、ひとりこの本を読んでいたN氏の心中が今更のように思われ、涙なしには読めませんでした。 187頁に付箋がありました。”夜” ゛悠久” ・・・の詩がありました。
今月、11日から15日までは、築地本願寺で報恩講のお勤めがあります。今日、本願寺へ行って、N氏や亡き両親、舅姑を偲び、阿弥陀様に手を合わせてきました。
私たちは零点の人生に立っている。誰も死の事実を避けて通ることはできない。今日のお説教は、身に沁みました。
生と死
私にとりまして 生と死 同意語と肯けます (昭和63年9月23日)
念仏は 私に ただ今の身を 納得して いただいていく力を 与えて下さる (最後の作品昭和63年12月26日)
鈴木章子氏は、同年の12月31日、感動と法悦のこの作品を遺されて身罷られた、とありました。