フルマラソンの30kmの壁対策には、ロングのトレランによる着地衝撃で半ば強制的に体を慣らさとよい
目指すは、トレランが盛んとも聞いたことのある鳳凰三山。一番メジャーなのは青木鉱泉からの周回コースですが、今回はどうしても上記の目的があったのでダメージがありそうな夜叉神峠からのロングコースを選択。登山だと往復タイム15時間越えですw
行く先の鳳凰三山は、甲府盆地を走っていると見える、あの背の高い巨大な屏風のような山です。これが南アルプスの主要な山、北岳や間ノ岳を隠してしまっています。
この稜線を、左端から地蔵岳まで走り、また戻ってゆくコース
鳳凰山には、あの道鏡に皇位を簒奪されかけた、女帝孝謙天皇にまつわるこんな言い伝えがあるそうです。
七五八年五月、法皇となられた孝謙天皇が、 遥か東国東国の早川の上流奈良田 (「奈良」を偲んで「奈良田」)に遷居された。天平八年南都に還幸して重祚されたが、それまで七年間奈良田に滞在された。法皇及びその従者は奈良田滞留中に芦安から北の山に登られた。 即ち 現在 の鳳凰山であって、それは法皇山から来たものである。そして今も残っている北御室、南御室、御座石などの 名は、その当時の名残りだと伝え られ て いる。
深田 久弥. 日本百名山(新潮文庫)
一説によると、奈良田だけ甲州方言ではなく、上方奈良のアクセントが微妙に残っているらしい。
深田 久弥. 日本百名山(新潮文庫)
一説によると、奈良田だけ甲州方言ではなく、上方奈良のアクセントが微妙に残っているらしい。
夜叉神からの往復は、獲得標高2300m、距離25kmのメガ盛です。このコースの特徴はとにかく長く、細かいアップダウンが連続、そして走れる区間が長い。そしてコースの白眉は薬師岳から始まる稜線。南アルプスのど真ん中、2700mの空中を走る快感はなににも代えがたく、特に薬師岳~観音岳の稜線は今まで行った稜線の中でももっともご機嫌な部類のひとつです。
すっかり筋肉が破壊されてしまいましたが、よい練習になりました。
出発時刻/高度: 06:41 / 1368m
到着時刻/高度: 15:09 / 1777m
合計時間: 8時間28分
合計距離: 23.62km
最高点の標高: 2809m
最低点の標高: 1358m
累積標高(上り): 2306m
累積標高(下り): 1894m
今日の行程。左から右端いって戻ってくるw
夜叉神峠には何度も着ていますが、20分で登ったのは初めてじゃ。
2時間半くらいで南御室小屋に到着。
ここは南アルプス天然水が湧く水豊かな場所
こんこんと清水が湧いています
水場の周りには、多くの花が咲いていました
南御室から薬師岳小屋を過ぎ、しばらく登るとやっと稜線にでます。
やっと出た先は砂払岳。すばらしい稜線の高度感に誰しも高揚しますね
ここからは極上のトレラン白砂区間。高度2600m以上なのですぐ息があがりますけどね。
今日はガスが出ていたので、南アルプスの秀峰も隠れては顔を出し、を繰り返します
北岳。雪渓とバットレスは終始よく見えていました。
薬師岳から観音岳までは勾配もゆるやかでトレラン可能区間多し。
観音岳から地蔵岳は急峻の登り返しの連続です。ちなみに鳳凰三山の最高峰はここ、観音岳。2800級です。
そして特徴的な地蔵岳の山頂、手をあわせて拝んでいるオベリスクの巨岩が見えました!
地蔵岳が見えてからの登りが長いこと長いこと。このあと巨岩の直下にはりつきます。
岩肌にタカネビランジが可憐にさいていました。
オベリスクの裏に回りこむと、人一人も通れそうにない細い隙間あり。
ここをかいくぐると、巨岩の間に出ます
眼下の愚民どもを睥睨。くっ・・・民よw
地蔵がたくさんおわすます、賽の河原でしばし休憩。
山頂を辞去することしばし、ガスがはれ雲海から突き出るオベリスク
帰路も絶景の稜線トレランが続きますが、足の閉店時刻が迫ってきました。
…以上の写真は、すべて「やらせ」で走って撮影させていただきました。現実は歩きです。
薬師岳小屋、なんと2週間前に新装オープンらしいです。
木の香りがあたらしい、素敵なたたずまい。こりゃーチビ太といかねば!
・・・このあとは樹林帯の中をえんえんとトレランして下山。足が完全に破壊され翌日からの筋肉痛が大変すばらしい感じです。
筋肉痛が癒えたあと、別のような足ができあがっているとよいのだが(他力本願)
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