土曜日運動会の振替休日を使って、紅葉終盤戦、初冠雪の便りも届き始めた八ヶ岳へと行ってきました。
せっかくの平日山小屋旅行ですので、一週間前からどこがよいか下調べをしていたところ、つん姉さんが登山デビューのASM姉さんを連れて白駒池に行く!というのでそーま兄さんと一緒に行くことに。大勢で行けば行くほど楽しいしね。
麦草峠からの北八ヶ岳は苔むす針葉樹から初雪の岩稜地帯と姿を変え、一行と別れた後我々父子は天狗岳北面のちょっとだけ凍った岩登りに苦戦しながら登頂、その後は眼福の稜線歩きを楽しんだあとオーレン小屋へ。小屋ではお風呂に二回入って心から温まり、桜鍋に舌鼓を打って夜7時に就寝。翌朝流れ星ショーを眺めてから氷点下の登山開始。硫黄岳山頂では日差しもさしてきてポカポカ。長い長い美濃戸口への下りの最後では終わったはずの紅葉も楽しめて、大満足の二日間でした。
二日間で11時間以上山道を歩いていたので、そりゃあたくさん会話したのですが、『また縦走連れて行ってね。』『でもたまには山小屋じゃなくておとうさんとおかあさん三人で旅行したいなぁ』と言われたので、八ヶ岳エリア気に入ってくれたみたい。
データ
出発時刻/高度: 09:16 / 2112m
到着時刻/高度: 10:39 / 1498m
行動時間: 11:07:14
合計距離: 21.03km
最高点の標高: 2744m
最低点の標高: 1495m
累積標高(上り): 1144m
累積標高(下り): 1760m
消費カロリー: 5817kcal
登山出発までは以下のよう運びました:
オーレン小屋に5時まで到着、の逆算で麦草峠9時スタートを計画。そのために土曜日運動会の興奮冷めやらぬチビ太を早く寝かせ、日曜日4時に起床、5時12分の始発電車に乗って武蔵小杉へ。5時半に一行は出発し、大きな渋滞もなく8時50分には麦草峠に到着することができました。
本日のメンバーは
・ そーま兄さん父子
・ チビ太父子
・ つんつん姉さん
・ ASM姉さん
最初今回登山デビューのASM姉さんに順番に自己紹介しますが、ここで傑作だったのは、どうやらASM姉さんにつん姉さんが『まこと君っていう若い男の子がいるらしいよ』とだけ事前情報を渡していたらしいです。
7歳児が『ぼくまこと。一年生だよ!』というとASM姉さん目を点にしていました。(笑(笑)笑)
それではいつものように写真レポのスタート!
武蔵小杉を5時半に出発、サンデードライバーひしめく中央高速のオカマ事故をすんでのところで逃げ切り、麦草峠ヒルクライムを経て白駒池に到着。後10台で駐車場はフルになるところでした。前日泊めた車はごらんのとおり氷結。
北八ヶ岳といえば苔むす森。いい感じです。
紅葉の名所として有名な白駒池。紅葉はめでたく終了していました。
学友ではなく岳友のそーま兄さんと。
白駒湖畔から高見石までは2つのルートがありますが、きつい方でいくことになりました。岩場の樹林帯を行く、けっこうきついコースです。登山デビューのあさみ姉さんにはちときつかったかな?
雪がちらほら出てきて、子供たちのテンションもあがります。木を揺らしては通り過ぎる仲間の頭上に雪を降らせる遊びに熱中していました。
高見石にはこんなインスタ映えするスポットがあるのですね!
コースタイム35分のところ40分で到着。スロースタートでいい感じです。
きりりと冷えて空気が澄みきって最高のヤマ日和
岩の間に秘密基地を見つけて、スポっとはまる2人^^)
今日登山デビューのAゆみ姉さんとAさみ姉さん。ややきつめのコースでしたが展望のご褒美はばっちりですね。
高見石小屋は星空観察と揚げパンで有名だそうです。こんな登山口から近いとは思わなんだ。
息が白い。本人はゴジラの熱線攻撃のつもり(笑)
わぁ~い!
中山の北面には雪と氷が多かった。雪合戦休憩とあいなりました。
雪玉作りにいそしむ一年生
高見石から中山までのコースタイムは1時間20分。しかもここからは時折凍った岩も混じる急な登りが含まれます。登山デビュー女子を連れた一行は引き返すか、登り進めるか迷ったところですが、この後縦走を控える7歳児がさっさと先に進んでいったので先に進むことにしました。
地図には『ダラダラ登り』と書いてありました。多分登りがダラダラなのではなく汗がダラダラの間違いだったんでしょう。
チビ太はどんどん進んでいきます。コースタイム90分の所を79分で到着。先着してお汁粉を用意して後続を待ちます。
やっと樹林帯を抜けてよい景色の中山展望台に到着。なんかバテてますw
良い天気♪
槍も穂高も御嶽もくっきり。登山デビューでこれが見られるのは幸せですね。
下のほうは北八ヶ岳特有の縞枯れ現象ですね。
さて、我々二人は今日はオーレン小屋なので、ここ中山で日帰り隊とお別れ。これよりいよいよ今日の本番、天狗岳の岩登りに備えます。
中山峠から、今日のメインディッシュが見えました!
天狗岳、こっちから見ると勇壮ですねぇ。左肩にかなり急な岩場が見えるけど、あそこ登るのかしら?
稲子岳です。
東天狗の北壁に取り付きました。ところどころ石の上に雪があるので、気をつけながら、アシストしながら、声をかけあって登攀しました。乾いた石をしっかり踏めば、滑ることはないです。どちらかというと危険なのは下りですね。
ふと今日来し方を振り返る。眼下には黒百合平が。
標高も2400mより上になるとハイマツが出てきますね。
東天狗岳に到着!ここで赤岳がやっと見えました。ここからは勝手知ったる稜線歩き。山頂は無風で快適。
今日登ってきた北八ヶ岳をバックに
そして明日登る硫黄岳をバックに
東斜面を見下ろすと、天狗岳の山影がシラビソの森に映っています。そしてその先にはみどり池と、今年の2月にいったしらびそ小屋が見えます。
東天狗岳直下はこんな勇壮な岩場。写真で見ると怖そうだけど、実際はそんなに怖くない。
両脇はスパッと切り落ちているので、高度感はすごいです。
明日登る硫黄岳の爆裂火口が見えました!
鷹が飛んでいました。
「写真にとって」と言われたので連写。
今日の三つ目のピーク、根石岳。
これをXX座にカウントするか、迷うところですね。
カウントしないことにしました。
稜線上にある根石小屋。
ここもいつかは御邪魔したい。
蓑冠(みかぶり)山
あまりにも小さな山なのでチビ太みずからノーカン認定
そして予定時間通りにオーレン小屋に到着!
川のせせらぎ音に癒されます。
川のほとりでテント泊のおじさまがビール飲んでまったりしていました。今日は登山客10人前後とガラガラ。
本棚からさっそくドラゴンボールを見つけ出し、炬燵にもぐりこんでくつろぎはじめるチビ太
汗臭くない山小屋、最高です。
湯船に入った時のチビ太の笑顔は1000Wくらいの明るさでした。
お風呂の窓を開け放つと硫黄岳の広大な稜線が見上げられます。
小川のほとりにたっているので水が豊富。
寝間着に着替えても読む
対面にいるおじさんはヤムチャです。
孫悟空のツナギを着てご機嫌でしたが、ヤマヤのおじさんからたちは『ん?サトルくんかな??』とか言われて落ち込んでいました。笑
売店。日本酒の種類が豊富です。
館内。オーレン小屋は個室から埋めていくシステムらしく、今日我々の部屋は広大な部屋を二人で贅沢に使うことができました。
平日の山小屋最高!
山小屋にすっかり馴染む七歳児。
オーレン小屋名物桜鍋🐴🐎🍲
『これを食べたら復活して明日はお馬さんみたいに登っちゃうよ~!』
お風呂あがりの5時半に食堂に行くと、鮮やかな桜肉が並んでいました。標高2400mでこれが食べられるなんて。
自宅から生卵と高清水の吟醸を持参。(ゲップまで美味しかった)
濃い目のつゆを吸ったお麩がウマウマでした。
この至福の夕飯のために、今日は6時間近く歩き、途中の補給食やお菓子も軽めにしました。
笑顔www
氷点下の中星座を見に行くマシュマロマン氏
朝3時半でマイナス5℃!!!
完全防寒装備で小屋から100m離れたライトのない漆黒のテン場まで手をつないで連れて行きます。『1, 2, 3で合図するまで空を見上げるなよ~』
そして満天の星空の下でやっと1, 2, 3で見上げさせます。
『うっわ~~~~~😯💫💫💫 すっげ~!こんな星空みたことなーい!』
激寒で3分で撤収でしたが、流れ星は三尾発見、天の川もなにもかもばっちり見えました。
すっかり目覚めたチビ太、朝から味噌ラーメンをがっつり食べて5時15分に早出。
ヘッデン照らして夏沢峠のご来光を目指してモリモリ登っていきました(暗闇のルートファインディングは老眼にはつらいので丸投げ。)
夏沢峠でご来光。やまびこ荘は冬季休みに入っていました。ほかにも既に閉めた山小屋多く、八ヶ岳ははや冬支度にはいったようですね。
路傍のつららをパキパキ折り取って、ペロペロなめながら登ります。
「何の味?」
「おみず味だよ。おいしいよ。」
薄暮の硫黄岳を進む
朝焼けの霞の中に、赤く照らされる北アルプスが浮き上がっていました。
硫黄岳は7つ?のケルンが登山者を頂上に誘います。
7時前に硫黄岳登頂!あまりにも景色がよく、すばらしい空間なのでここで長居することにします。
横岳、赤岳、権現岳がばっちり!
これは硫黄岳山荘
赤岳頂上山荘
いつかここから朝日が見たいね。
赤岳天望荘
朝ごはん(おやつ)はとんがりコーンとチョコフレーク。
これが!硫黄岳の爆裂火口です。これから先に進むと地面が崩壊しやすいらしく立ち入り禁止ね。
横岳2829m 赤岳2899m チビ太岳 2761m 阿弥陀岳 2805m
西面には硫黄岳の山影が。今朝出発したオーレン小屋の屋根も見えます。
硫黄岳山頂を辞し、赤岩の頭へ。ここの下りは高度感あり、道もふわふわで歩きやすかったな。
赤岩の頭から赤岳鉱泉までは樹林帯の中の岩場を急降下。結構足に来ます。ここでソフトクリー・・・売店は閉まっていました
赤岳鉱泉冬の風物詩、氷壁の土台が組みあがっていました。それにしてもここからの眺めはすごいな。
赤岳鉱泉から下はひたすら下るだけで見どころは少ないかと思っていましたが、ラッキーなことにこの高度(2000mから下)の紅葉が盛りでした。
青い空に紅葉が映える。
紅葉だけでなく、苔の森もよい雰囲気。
長いダラダラ登りを終え、やっと美濃戸に着きました。ここには美濃戸山荘があると思って、『アイスクリーム♪』と勇躍駆け出す七歳児。・・・山荘は、冬季休業中でした。
下れば下るほど紅葉が色濃くなっていきます。
(台風で橋が流れて今は通れませんが)車も通れる林道のため、歩きやすくてよいです。そのかわり歩く距離は長くなりますが。
結局二日目は12kmの行軍でしたが早出が効いてバスの時間の40分50分前に美濃戸口到着。ここからはバスにゆられて茅野までいって、新型のスーパーあずさにのって帰宅。夢から覚めたら昼の3時半に自宅についていました。