断り書き:親馬鹿長文が続きます
最高のトレインに乗ったニャロメJr.がデビュー戦初勝利を飾る、41時間の消耗戦の影にアシストとチームリーダーの献身。
7月9日 3:30AM
クリテリウム・ド・陣痛テキストライブはじまります!
みなさまこんにちは!今日もクリテリウム・ド陣痛テキストライブの時間がやって参りました。活字で追う、いきみともがきレースの最高峰、どうぞ今日もお楽しみください。今日は平坦ステージ、ド迫力のスプリントゴールが見られるか?
本日はクイーンステージ。人生の門出を祝う最高峰の舞台です。
4:30AM
まずは昨日のステージの結果の復習をしましょう。
予定日を2日過ぎても一向に調子をあげないエースに喝をいれるために、チームリーダが6000歩の山岳アタック。クライマーでないのに重い体を押して西寺尾で登山までw。
おかげで近所に3か所の激坂を発見しました。50m 平均勾配28%の鬼坂を発見しました。こんど連れに行きますね♪
今日のステージをチェック!
今日は横浜労災病院陣痛室が会場です。山岳ポイントの設定されない「ド」平坦コース。今日はスプリンターにとっては外すことのできないステージです。用意された中間陣痛ポイントの数はなんと300。このポイントを全力でもがききり、最後の分娩台ストレートでエースを発射し、歓喜の瞬間を迎えることができるか、チーム戦術がカギになります。
07:30AM
スタートから初期の陣痛アタックがかかっている模様です。まだまだ様子見の初期陣痛、10分起きに散発的に集団からアタックがかかりますが、チームリーダのニャ嫁が落ち着いてカバーに入っています。
<ジン・ツーキタ、ハレッター・オナーカ、マダワラッテル ~6分15秒~ ニャ嫁 ~6分15秒~ ニャロメ追走>
08:30AM
ここで新しい情報。アシストとして期待されているニャロメですが、今まで集団から何度もアタックがかかっていることに気が付いていなかったようです。どうやら集団の後方で爆睡していた模様。
09:30AM
集団前方にアシスト役のニャロメが上がってきて、突然パニックにかかったかのように全ての陣痛アタックに過敏に反応します。
また残りは長いのに、グランツールの経験が浅いのか、全てのアタックに反応して序盤から脚を使っています。
<ジン・ツーキテル、マダヨー・ユー ~7分15秒~ ニャロメ追走 ~6分15秒~ 集団>
10:00AM
逃げと集団の間隔が5分を切ったら病院に連絡、という事前の作戦通り、ここでニャロメが集団を牽引、チームカーの白プリウスにのって労災病院の周回コースに入りました!観客が色めきたちます。
<ジン・ツー・ゴフンデクルヨ ~5分15秒~ 集団>
ここで現地のカメラマンから、このレースに投入された新機材の写真が送られてきました!!!
座面への血流をよくする、穴あき軽量サドル。商品名はSouthern Beach。商品化は今年の秋予定。
雨が降って来た時はウォッシュレットにもなります。ニャロメ家リフォーム監督者である杉ちゃん愛用のサドルです。
最近は陣痛メータを使って科学的にトレーニングするプロが多くなってきました。
上がエースの心拍、下がチームリーダーの陣痛パワーです。30を越えるとL5相当で、変な声が出ます。
チームリーダのニャ嫁がこのL5トレーニングを5 - 10分間隔で300セットこなしました。プロの忍耐力の凄さがわかります。というか壮絶すぎて想像がつきません。
10:30AM
ここでチームドクターのメディカルチェックが入ります。
...
どうやら、チームドクターは、「まだレースが長いから一度集団の後方に下がって脚をためろ」と言っている模様。一度病院内周回コースを外れて自宅に返されますw。
11:30AM
<カンカックノッビータ ~7分15秒~ 集団>
どうやら明け方に陣痛とのタイム差が5分に減少したのは、陣痛逃げ集団の策略だったようです。差をつめた集団を無線で知った陣痛エスケーピストが、集団のペースアップと同時に死んだふりをやめてペースアップして再び逃げた模様。どうやら百戦錬磨が逃げているかもしれません。逃げのメンバーがわかったら、またレポートします。
3:30PM
<シルバン・ジャアネル、ソノトキマデ・ネルッチャ ~9分~ 集団>
ここにきて集団は完全にピクニックモードになりました。談笑するもの、ここぞとばかりおにぎりをほおばっている者もいます。
4:30PM
メイン集団で落車発生!!!
どうやら集団後方でうつらうつらしていたニャロメが単独落車した模様。チーム―リーダの叱責を受け、逆切れしている模様。
5:30PM
<ジャアネル、ネルッチャ ~5分~ 集団>
いよいよ先頭とのギャップが5分に縮まってきました!ここで再度横浜労災病院までチームカーの隊列に引っ張ってもらいながら行き、いよいよ主戦場である周回コースに再び入ります!
注:この後からレースレポートと本人の回顧の主観と客観の文体が混じり合います。読み苦しいですがご了承を
6:30PM (あと26時間)
<逃げ ~6分~ 集団>
ドクターの診断をうけ、笑顔でスタンバイに入る。ここで入院。
待合室であったママ友によると、後6時間くらいではないかと。一時間=1cmくらいで玄関があいてくれれば夜半にはゴールできるか?
本当はドクターに、そんなに開いていないから、一度家に帰るのも手ですよと言われたのだが、五分ごとにかかる集団のペースアップにチームリーダニャ嫁が辛そうだったので、入院しかありえなかった。
この陣痛室は、テレビもなにもない部屋。しかも外の明かりも差してこないので、24時間いると昼夜の感覚が完全にマヒしてしまう。
10:30PM (あと22時間)
<逃げ ~3分~ 集団>
いよいよアタックの頻度が多くなってきた。辛そうなので指の皮がむけるまでマッサージ。この頻度なら朝を迎えるまでにゴールできるかも?と家族には伝えておく。マッサージをしながら痛いところをエイエイ!と押していると、エースの頭の感覚がわかる♪はじめての親子のおしくらまんじゅうだ♪
1:30AM (あと19時間)
隣の部屋に別の妊婦さんが入ってきた。陣痛室は喘ぎ声二重奏だ♪
既に破水しているらしく、3時間ほど絶叫をしたあとすっきり分娩室にはいって1時間後に拍手とともにレース会場から去っていった。「ずるーい」
3:30AM(あと17時間)
<逃げ ~5分~ 集団>
陣痛は順調にきているように素人目には見えるのだが、まだゲートが開ききっていないらしい。当直交代の助産婦がとてもハキハキした人で、「ありゃー、これは長いですね。まだまだです。」
「はぁぁ~~~」
とニャ嫁の悲しそうな声がむなしく響く。
長丁場になりそうなので、体力温存のため、集団後方にさがってまた脚を温存することになった。
とは言え、陣痛L5アタックはきまった時間にやってくる。とても痛そうだ。
5:30AM(あと15時間)
<逃げ ~5分~ 集団>
メイン集団で大落車発生!!!
また・・・ニャロメが落車か?
なんと「落車します。」と宣言して落車したらしい。しかも隣でニャ嫁が痛みで苦悶の絶叫をしている横で、背を向けて体力温存落車をしている。なんという強心臓w
本人いわく「最後の局面で全開でアシストするために、あそこでは温存するしかありませんでした。非情にみえるかもしれませんがチームリーダーを捨ててエースをたてるチーム戦術です。」
7:30AM (あと13時間)
チュンチュン。朝になってしまった。
本当だったらこの頃にはゴールしているはずだったのに・・・
朦朧とした意識のなか5分おきのアタック合戦は続く。
12:30 (あと8時間)
この頃になると意識が完全にとんでいる。二人の疲労はマックス、そしていつ終わるのか、先は見えない。
数時間ごとに検診をうけて、玄関が何cmあいたか見るのだが、そのたびにカーテン越しにニャ嫁の「え~」という落胆した声が聞こえてくる。これは聞いている方もつらい。
テレビのない部屋、5分ごとにやってくるモガキへの二人での対応、これを延々と繰り返す。
*ちなみに、横浜労災病院は極力「自然分娩」を進めているので、どうしてもという状況を除き薬をつかった誘発はしない主義なんだそうです。
4:30 (あと4時間)
<逃げ ~3分~ 集団>
やっと先が見えてきたか、先生の「開いてきましたよ」の一言に勇気をもらい、3分ごとにかかるペースアップに対応する。
しかし、ここまで来ると一回一回の痛みが物凄い。でも、もう36時間以上聞いているので絶叫に対して心を痛めることはない。
痛まないとゴールがないから。
痛めば痛むほどゴールが近くなるから。
二人のテンションもあがる。
6:30 (あと2時間)
<逃げ ~3分~ 集団>
この時間帯でやっとトレインが機能しだした!アドレナリンも出てきた!
ニャ嫁「アタック来た!右から行った!」
ニャロメ「あいよ!右チェック、プラグイン!」
ニャ嫁「でっかいの来た!ギャァァァァァ!!!!」
ニャロメ「負けるか!!!!!反撃マッサージ!おりゃー!」
・・・こんな感じで、だれもいない陣痛室で変なプレーをしておりました。
7:30 (あと1時間)
<逃げ ~2分~ 集団>
この頃になるとエースが集団からアタックしたくてしたくて、むずむずしている。いいぞいいぞ。だが最後まで足を使うな。
2分おきにニャ嫁の骨盤をミシミシと叩きわらんばかりの物凄いスプリント力で外に出てこようとするのだ。それを全身全霊で阻止するのは俺の役目。
この頃になると、集団の牽引にチーム横浜労災のジョ・サーンプ選手も加わってくれる。この選手は的確でプロフェッショナルなアドバイスを集団にあたえてペースをコントロールし、最後のスプリントのタイミングを決めるのが役目。
ゴール手前のアタックをそのたびに捕まえるのがニャロメの役目。このチームワークで残り1時間!
ここでジョ・サーンプ選手
「9.5cmまで開きました!0.5cm早いけど分娩台いきます!」
逃げ吸収!!!
8:00 (あと40分)
いよいよ最終局面、集団は一列棒状!いままで集団を引き続けたニャロメはお役御免、分娩台の後ろにたった。
ニャロメトレイン2両目のニャ嫁が最後の牽引を担当する。後はどこから、だれが全力でもがき切るか?
しかし忘れてはならないのは、今日既に41時間闘って来ているということ。睡眠不足の長丁場、最後に爆発する体力は残っているのか?そしてロングスプリントになったら腹は期待通りにいきんでくれるのか・・・?
8:10 (あと30分)
ここでニャ嫁がいきむ!
「キーィィィィィィ!ブハァァァァァァー!」
女医さん・助産婦さん「すごーい!上手ー!」
最初のキックで既に後続に差をつけた!
今度は声を漏らさず、無言でいきむ。
「ぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーー。ブハァァァァァァー!」
さらに後続に差を付けた。
ん?ここで今まで見ていなかったTeam ニャロメのエーススプリンター、ニャロメJr.の小さな頭が見えたぞ?これはスプリントを狙っている!
注:この頃役目を終えた旦那は分娩台の影にかくれてツイートしていました。ゴメンナサイ。
8:30 (あともう少し!)
<ニャ嫁、ニャロメJr、 ~ 集団>
明らかにニャ嫁の影に赤いヘルメットが虎視眈々とチャンスをうかがっている。
最後のスプリント開始、エースを発射させる!
分娩台の下ハンドル(←下ハンがあったのよ、本当よ)を握って、
『ニャ嫁よ、もがけぇぇぇぇぇぇ!!!』
www
ごーる!
タイムは8:51
体重は3687g
身長は52cm
でかっ!
クリテリウム・ド・陣痛 2011レース結果(暫定)
1位 @Nyarome_Jr
赤ちゃんって、うまれたては珍獣だけど、一日経つとこりゃたまらんな~(←親馬鹿)
2位 ニャ嫁
ママは偉大だ。神々しさを感じました。えらい!神様仏様ニャ嫁様!
3位 とうとう俺も親馬鹿になってしまうのか・・・
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みなさま道中コメントやお祝いのメッセージありがとうございました。これからみなさんの温かい気持ちを一つづつ返していけたらと思います。
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