アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

「慰霊」施設への遺骨収容はDNA研究のため

2018-05-25 05:11:38 | 日記

don-xuixoteさんのブログは、継続して無許可で先住民族の血液を研究材料としている実態を調べ、紹介されています。しかも、「血清アーカイヴ」として保存されているものがあるということです。アーカイヴとは書庫や保存記録という意味で、いわゆる血液が「研究材料」として使われ続けているということですね。

研究者の倫理が問われています。この規制はないのでしょうか。don-xuixoteさんも最新のブログで「研究のために不当に収集されたアイヌ血液その他の人体組織試料のあり方の検証は行わなくて良いのか」(←をクリックするとページが開きます)と問うておられます。内容もくわしく、国のアイヌ政策推進会議の議論を調べて問題を整理してくれています。これはみなさんにもぜひ読んで頂きたい。なぜ今、アイヌ遺骨が再埋葬されず白老の民族共生象徴空間の「慰霊」施設に持っていかれるのか。それはDNA研究をするためだ、と。これは大問題だと感じます。

過去ブログにて、「埋蔵文化財」遺骨返還訴訟について報告しましたが、さる、5月14日に札幌医科大学が研究者に研究を目的としてアイヌ遺骨を提供したことに関し、山梨大学と国立科学博物館に遺骨が使われた論文の取り消しなどを求める質問状を北大開示文書研究会とコタンの会のメンバーらの連名で送りました。その時の記者会見がHTBニュース動画で報じられました(見られない場合は文章のみ関連ニュースブログで)。また、質問全文はさまよえる遺骨ブログに掲載されています。

かんたんに問題を整理すると、4つあります。ひとつは国立科学博物館の篠田謙一副館長と山梨大学安達登教授らは、2010年より札幌医科大に保管されているアイヌ人骨115体からミトコンドリアDNAを検出して研究をしたが、研究にあたりコタンの構成員たるアイヌの承諾を得ていないのは問題だ。

ふたつめは、それらの遺骨は研究のため損傷を受けたがどのように責任をとるつもりか。

第3点は、日本考古学協会などが埋葬から100年以内の遺骨を研究に扱わない方針にしていたのに、それに反している問題をどう考えるか。

・ところで、日本考古学協会が決めた100年基準の根拠はなんなのでしょうか。わたしが以前に聞いた世界の先住民族はどの時代であっても遺骨を研究に用いることを拒否していますし、わたしの身近のアイヌの方も同じく反対しておられます。

第4点は、第3点の問題から、書かれた論文の根底が間違っているのだから論文の取り消しが必要ではないか。

これらの質問の回答を7月末までにと要望しました。回答が届きしだい、ここでも説明をさせて頂きます。

 

山菜の季節。今年はたらの芽、うどの芽、こごみの天ぷらを堪能しました。

冬に嵐山のチセ(家)が鹿に喰われたと情報が入り、行ってみました。40頭もの大群でムシャムシャしたとのこと。確かにひどい! 26日の嵐山チノミシリに間にあうようにと一棟だけ3日間で修復中とのこと。人手も足りていて笹もないということなので、ほんの少しだけお手伝い。数年前にこのチセを建てるのにお手伝いしました。手は覚えているものです。