アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

「先住民ラコタの民族自治と生存への取り組み」

2010-05-28 16:10:44 | インポート
昨日は札幌へアイヌ奨学金キリスト教協力会関連の事務や教区関連の事務を行いに行きました。
夜は北海道大学アイヌ・先住民研究センターの講演「先住民ラコタの民族自治と生存への取り組み」を聞いてきました。いつもと変わらず自分の個人的なメモの範囲で報告をUPします。今回もパワーポイントを使っての講演でしたが、残念ながらペーパーはなし。英語でかまわないので配布して頂けたらメモに使えるし、後日に引用しやすいのでお願いしたいです。

講師はThomas Biolsi(トーマス・ビオルシ)さん(カリフォルニア大学バークレー校エスニック・スタディーズ研究科長)。
主にサウスダコダ州のRosebut(ローズバッド)保留地の状況を話されました。この地域は国連調査によると48.3%が貧困層であり、82%が失業者。地域的に農業に適さず、畜産もごく限られた人しか就けないため、白人もこの地を離れていくとのこと。そのようなところに保留地を作った国の責任がある、と。よくTVなどでアフロ・アメリカンの貧しさが言われるが、先住民族のほうがたいへん貧しい境遇に置かれていると。(また、ラコタの人たちは志願して軍に入る人が多いとのこと)

そういう中でもラコタ民族は分ち合う精神がたいへん豊かで、互いに分ち合い、皆で生き抜こうという精神を持っているとのことでした。
また、ラコタ語を第一言語としている人たちはラコタ全体の15%あり、こどもたちには学校で学ばせ、大学においても学部をつくって普及に努めていると。

1934年にローズバッド・スー族の部族会議によって自分達の憲法(民法・刑法)を制定。
保留地に住む15%の白人は部族が制定した憲法の拘束力はないと主張(インディアンにそんな能力はないという差別的な主張)。それに対して部族会議は差別的と批判。

2007年12月19日にラコタ民族の代表らが自治国を表明したことに関して何も触れられなかったので質問しようとも思いましたが時間切れでした。連邦政府の対応や自治国になって改善されたのかなど、逆に話で触れなかったということは、連邦政府も認めなかったということでしょうか。


さくらんぼの花。今満開です。6月になるとさくらんぼ狩ができますよ~ (増毛町)

質問の中で、日本のキリスト教はアイヌに対して何もしてくれなかったが、アメリカのキリスト教会はどのような支援をしたか?というのがあり、ローズバッドにおいては「保守的支援」にとどまったと。保守的というのはこどもたちの修学支援、家族のカウンセリングなどの支援、アルコール依存者への復帰支援など。一方、ラコタ民族は政治的領域での支援を希望したが教会は応えてくれなかったので失望したと。どのようなやり取りがあったのでしょう。先住民族の中にキリスト教会は存在するのでしょうか。調べてみようと思います。

もう一つ、質問に対する答えの中で、民族の認定基準について言われていました。アメリカではそれぞれの部族会議が独自に認定しているのだそうです。連邦政府が決めるのではないということですね。ローズバッドでは四分の一の先住民族の血が入っているというのが基準とのことでした。
アイヌ協会はどのようなアイヌ民族認定がなされているのでしょうか。内規などがあるのでしょうか。


山の緑がほんとうにきれいな季節となりました。山菜が呼んでいる!今日も札幌の帰り道に山に入り、ウド、タラの芽、ふきを日曜日のてんぷらパーティーのために採って来ました。
 
センダック原作の絵本「かいじゅうたちのいるところ」が実写映画になりましたが、ツタヤでDVDレンタルされていましたよ。さっそく見ちゃいました。絵本のほうは、わが子たちによく読んでいました。映画ではどうなるのか楽しみでしたが、実写のかいじゅうが可愛い。そして、でた!あの言葉 「いかないで、食べちゃいたいほど好き!」
なかなかよかったです。