アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

ル・クレジオさんの講演WINアイヌの学習会・講演

2009-12-05 12:37:06 | インポート
昨年にノーベル文学賞を受賞したフランス作家ル・クレジオさんを迎えて、北大アイヌ・先住民研究センターが主催で「先住民族の語りと文学」シンポジウムが2日夜に開かれました。わたしも行きたかったですがつもり積もった事務作業で断念。

新聞報道によると300名もの人が集まった、と。
マジョリティーの意識を変えるには、「有名人」にお話いただくのがいいのでしょうね。たくさんの方にアイヌ民族の豊かさや世界の先住民族の価値観の重要性などをについて語って頂きたいですね。

ル・クレジオさんは、先住民族の「自然と調和・均衡を図り、与えられたものに感謝してきた伝統社会の生き方は、現代産業社会をより良くするヒントを与えてくれる」と言われたとか(道新記事※)。 先住民族の生き方から学ぶことは多いと思います。わたしも生活スタイルを見直しています。



タロコ国家公園内の博物館にあったタロコ民族の絵。顔に刺青をしていますね(クリックで画像大)。


さて、機関紙「ノヤ」、アイヌ奨学金趣意書作成発行の作業に追われつつ、少しづつ資料にも目を通していますが、目に付いたところをひとつ紹介します。
「先住民族の10年News第154号」に掲載されている手島武雅さんの「『アイヌ政策有識者懇談会』の政治学入門①」です。

特に、
「a:国民のコンセンサスを得られないと先住民族の権利回復は難しい」
「b:あまり厳しい注文を出さず、段階的に実現できる方向に持っていくべき」
との意見に対する批判はグッと迫って来ました。

aの言葉は「国民」の側にいる人には「心地よい響き」だと。確かに理想的なことであるけれども、過去にはこの言葉でもってアイヌ民族の願望と要求を阻止し、政治的社会的変革をしてこなかった、これは「お守り言葉」であって20年後も同じ言葉を唱え続けているのではないか?と。
bについては、加害者に都合のいい「ゆっくり」さを批判的に簡単な例を挙げて紹介してくれています。

「国民のコンセンサスを得る」、「マジョリティーを変える」、「現実的に」など、なんとなく理解しつつも、ストンと飲み込めない部分の指摘を受けた気がします。
続きを読みたいと探したのですが、な、なんとどういうわけかNo.155~156がない!
再送してもらうことにします。「先住民族の10年News」はいい内容です。講読されていない皆さん、定期購読を勧めます。

※北海道新聞 12/03  http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/203402.html
毎日新聞 12/4 http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20091204ddlk01040064000c.html



世界先住民族ネットワークAINU主催の学習会および研修会の案内が来ています。
上村英明氏を迎えての学習会は今夜。楽しみです。
クリスマスまで忙しいので報告がすぐにUP出来るか不安ですが、とにかく今から出かけて録音してきます。

WINアイヌ第5回学習会「先住民族アイヌの権利確立に向けて」 アイヌ民族政策の進展に関する課題と展望-
◆12月5日(土) 18:00~
◆会場:札幌エルプラザ 4F「大研修室C」
   札幌市北区北8条西3丁目           
◆講師:上村英明氏 (恵泉女子学園大学教授・市民外交センター代表)
◆参加費:無料  資料代:500円


グアテマラ講演「戦時性暴力の被害者から変革の主体へ」~
◆12月8日(火)18:30~              
◆会場:札幌エルプラザ 「環境研修室2」
   札幌市北区北8条西3丁目           
◆参加費:500円
◆主催:札幌実行委員会
◆問合せ先:世界先住民族ネットワークAINU札幌事務局(011-593-0655)
<プロフィール>2000年東京で開催された女性国際戦犯法廷に触発され、グアテマラのフェミニスト活動家、ヨランダ・アギラルにより始められたプロジェクト。グアテマラ内戦のさなか、性的暴力を受けた被害者に正義と尊厳をもたらすべく活動している。「戦時性暴力の被害者から変革の主体へ─正義を求める女性たちの闘い」という名の通り、女性たちが恐怖に打ち克ち尊厳を取り戻すことで受動的被害者の立場から抜け出し、自らの人生を切り拓き、また女性に対する暴力を根絶すべく社会を変革してゆく主体となることを目指しています。


台湾でよく栽培されているビンロウの木と実