アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

先住民族の課題

2007-07-22 18:17:47 | インポート
さっぽろ自由学校「遊」で連続講座「先住民族の権利回復って、どういうことだろう」が行われ、
何度か参加させていただいたことは以前のブログに書きました。
その連続講座第1回目の相内俊一さん(小樽商科大学教員・市民外交センター)のお話の中で、
先住民族の権利回復をめぐる支配国家と先住民族との間の対立点については以前に書きました
(7月4日ブログ)。


相内さんはさらに、「先住民族の課題」として以下を記します。


1. 民族の存在形態(都市に散在する場合/地域における実質的な占有)に適合的な政治システムの確立
2. 民族集団の確立(民族の単位の確定・隣接民族との異同の認知、民族の認定)
3. 集団的意思 (民族内部における意思決定や利害の調整 / 対外的交渉における代表)
4. 代表機関 (集団的権利の所在、知的財産の主張と管理、メンバーシップの認定と管理 )
5.民族性とライフスタイル(異なる先住民族の間での価値配分システム)
6.支配国家に対する富の再配分請求の原理(補償・保護・地域間格差是正・民族政策 )
7. 支配国家の政治システム内で、先住民族が決定に実質的な影響を与えるしくみ
8. 権利としての自決権と実効性ある自己決定
9. 民族・人種の重なり合いと区別 (民族政策と人種政策)
10. グローパルな環境変化のストレスを受けている民族の、問題解決システム



これらを挙げるに際して、相内さんは以下の文も付記します。

同化政策と民族集団の分断・拡散が徹底して行われたケースほど、
先住民族が権利を主張する基盤が損なわれている。しかし、徹底して同化を強いられてきたアイヌ民族も、
「民族」として自決権を主張するならば、以下の課題に取り組み、解決しなければならない。
アイヌ民族と大学・研究者が協同できる領域としてこれらの課題は重要である


まことに考えさせられた内容でした。まだしっくりと来たとは言えませんが、
アオテアロアやハワイ先住民族の権利回復の講演などを聞きつつ整理中です。

さて、明日は旭川にて会議なので、カムイコタンのガイドを見ながらひとり
フィールドワークしてきます。川村さんのアイヌ記念館にも寄り、
チプが完成したか見てきます。時間があったらお手伝いしましょう。

明後日は午後6時より北大で田中 宏弁護士による講演
「二風谷ダム判決とその後ー訴訟の舞台裏とこの10年の動き」を聞くべく
札幌に行き、途中で諸教会をお訪ねしつつ、アイヌ民族情報センターの宣伝活動をします。
(会場:人文社会科学総合教育棟 2階W 203号室) 




ちょっと前ですが、なんと、虹の端(発生場所)を見たのです! 
この写真の真ん中に消えかけている虹の先っちょが写っているのがあなたは見えますか?