英国ミュージカルの韓国初演公演を観に行きました。
Everybody's talking about Jamie
実話をベースにしたBBCのドキュメンタリー作品をミュージカル化したもので新「ビリーエリオット」と評される作品です。
シェフィールドが舞台でわたしが好きじゃない要素がひとつもない作品なのは分かっていましたが
期待以上の良さに大満足の観劇でした!
ドラァッグクイーンが夢の少年ジェイミーが卒業プロムにドレスを着ていくことを目指すお話
簡単にあらすじを説明するとこんなもんなんです。
マイノリティに対する偏見とかいじめっことか
扱っている内容自体はごくありふれた作品なんですが
なにがいいってジェイミーのキャラクター!
これ程までに明るくて可愛くて観客みんなを虜にするほど愛されるキャラクターが
ミュージカル界にいたでしょうか^^
観終わったらもうジェイミーのことが大好きで大好きでたまらなくなります。
わたしはビリーエリオットも観劇回数三桁をこすくらい大好きですが
ジェイミーニューもビリーに負けないくらい大好きなキャラクターになりました。
まわりにいる人みんながジェイミーの味方で
守ってあげたくなるし、結論ジェイミーに守られている
そんな風に感じられるくらいあったかくて優しいミュージカルです。
韓国ジェイミーの初演キャストは4名です。
わたしが観たジェイミーは2AMというアイドルグループの歌手のチョ・グォンさん
除隊後の復帰作でもあり彼ぴったりの役だと
キャスト発表時にも話題になりましたがグォンさんしかり
他のジェイミー役の方もミュージカル俳優のシンジュヒョプさん以外はグループ名すら聞いたこともない歌手に疎いわたしだったので
いつものごとくミュージカル俳優さんで観ようと思っていたのですが...。
プレスコールの映像を見たらグォンさんはジェイミーとのシンクロ率が飛び抜けていて
そのままグォンさんの日にすぐ予約してしまいました。
ダンスナンバーの多い作品なのでアイドル歌手を起用するのは日本でも韓国でもありだと思いますが
しかしグォンさんの場合はジェイミーでしかない...!
ドラァッグクイーンの役はたくさんありますが指先の演技って割りとがさつでなかなか美しくない俳優さんが多いと思っています。
が!グォンさんは指先から足の爪先まで優雅でしなやかで色っぽくまーキレイ。
更にハイヒールで宙に浮くようなダンス
見事な身体能力です
優雅さと超人ぽさが鮮やかでグォンさんなのかジェイミーなのかわからないけどすっかり虜になりました^^
最後のライブ感満載のパフォーマンス
韓国の方々は欧米の方々並み...以上に?(笑)ノリがよく素直に笑い素直に泣きこれでもかと盛り上がるので楽しいです。
イギリスらしいマイノリティに関する暗い部分の描きかたとそれをマイルドに包む軽い笑いを細々といれる脚本がわたし好みで素晴らしいです。
このジェイミーというキャラクターもかなり現代的で斬新でした
マイノリティだからとウジウジなんかせずナチュラルに自分らしく暮らしています
このあたりファンホームのブルースがみたら卒倒しそうです(ミューオタあるある妄想)
周囲もジェンダーにとらわれないというより無関心に近いあんな子もいるそんな子もいる変なのー
でも学校ってそういうところ、という割りとドライな描きかたで新しい時代だなぁという印象でした。
いじめっこといっていいかもわからないディーンという男の子も学校では浮いた存在だし
ディーンの意地悪に華麗にかえすジェイミーのしがらみにとらわれない新世代感が気持ちいい...♡
(意地悪いうクラスメイトにチューするって斬新すぎてもう本当にジェイミー好き 笑)
ジェイミーがこれほど自分らしく強く生きていられるのは(それでも勇気をだし葛藤もする)
母マーガレットがただひたすら息子を愛し信じすべてを肯定して受け入れているからだと思いました。
He is my boyというジェイミーが実の父親からパーソナリティを認めてもらえなかった事実を知り傷つき出ていったあと
母マーガレットが歌うナンバーなんですがこれがもージェイミーという愛らしい子の全てだとわかるナンバーで嗚咽もれるのを堪えながら聴きました。
可愛くて憎い子
良いときもつらいときも
気持ちが楽な時なんて一度もないけど
お前のそばにいるよ
それが私の人生の理由
お前ひとり、お前だけなんだ
こんな歌詞なんですが、共感したし学びました。
私も娘にこうして接したいと心から感じました。
娘にこの先なにがあっても心が強くいられるよう絶対的な安心感を与えるのが私の役目だと感じました。
このナンバーは世界中のお母さん、お父さんに響くんじゃないでしょうか。
マイノリティでもジェイミーが明るく自分を見失わない理由は母マーガレットの無償の愛が
ジェイミーを強くさせているとわかるナンバーでした。
映像はキム・ソニョンさんですがわたしが観たのはチェ・ジョンウォンさんです
ジョンウォンさんはマンマミーア以来でしたが本当に素敵でした。
大好きな女優さんです。
それからジェイミーの仲良しの友達プリティ
彼女もまたムスリムで白人ではありません
すごくいい子で、プロムシーンでは暴言をはくんですが客席も「ひぃぃぃっ!」と息をのむくらい優等生ないい子ちゃんです^^
このジェイミーという作品
イギリスの若者言葉がたくさんあるんだろうなと推測できる韓国語若者言葉のオンパレード
学校っぽく会話はマシンガンです
プリティの暴言はイギリス英語のあの単語に匹敵する韓国語で訳されていて
こういうのを見ると韓国語という言語の柔軟さがより非英語圏でも上演しやすい理由だなと思いました。
イギリスらしさ満点のお話に一曲、一曲がキラキラしてるキャッチーな楽曲
何もかもが凄くいい!
Out of the darknessでジェイミーがヒューヒュー盛り上がる客席に向かってシーっとします
その瞬間ジェイミーに観客全員が注目し...
Everybody's talking about Jamieを引き出すんです。
その瞬間すごい良いミュージカルを観たと鳥肌がたちます
ジェイミーが大好きになります
本当に素晴らしかった!
グォンさんジェイミー最高に可愛くて素敵でした^^
見えるラジオ(韓国はラジオも見えるんです
笑)で披露されたAnd you don't even know it素敵でした!
残念ながらコロナの影響からか海外からのファンが来られず空席が目立ちます。
コロナさえなきゃ海外からのファンもいて大盛況だったかと
韓国のミュージカルファンは歌手主演だと敬遠するので(私もです)あまり評判は良いとは言えません
ただ、このミュージカル自体がニュージェネレーションといいますか。
ミュージカル専門の俳優さんに比べたら確かにテクニック的に不足してる点は否めませんが
じゃーミュージカル俳優さんがあそこまでの愛されるスター性とダンスパフォーマンス出きるかと聞かれたらうーんです...
この作品に限ってはアイドル歌手だからと敬遠せずぜひ見てください!
ていうか、そもそも韓国のアイドル歌手はポテンシャルが高いから
WEの子にも負けないパフォーマンス力あると私は思っています。
ま、でもグォンさんはミュージカル俳優さんとしてのキャリアもそこそこありますがね^^;
なので安定感抜群でした。
彼以上のジェイミーはいないでしょう。
若手ジェイミーたちは大目に見てあげた方が良さそうです...
おまけ
ちゃっかり靴屋さん宣伝してた(笑)
調べたらわりとリーズナブル
あんだけ踊れる靴なら履きやすそうと思いました^^