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あんにょんはせよ

ロンドンで出会ったオトメン韓国人旦那と2014年12月生まれの娘と
ソウル西部でのんびり暮らしています。

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ミュージカル The Phantom of the Opera(2012年来韓公演)

2012-12-20 | ミュージカル・演劇・コンサート


ソウルの漢江鎮(ハンガンジン)にあるサムソン・ブルースクエア劇場で
ミュージカル『The Phantom of the Opera』の25周年記念公演が行われております。
2月末までの公演だそうなので、興味のある方は是非。

さて、この『The Phantom of the Opera』はご存知
オレ様「アンドリュー・ロイド・ウェーバー」が作曲した名作ミュージカルです(いやみでスミマセン…)

日本では『オペラ座の怪人』という名前で知られ
韓国では『오페라의 유령(オペラの幽霊)』という名前だそうです。

この『The Phantom of the Opera』はフランス人作家ガストン・ルルーの小説を基に
過去様々な形で、映画化、ドラマ化、ミュージカル化をした作品なのですが
世界で知られているのは、やっぱりオレ様なアンドリュー・L・W作曲のミュージカル版です。
2004年にはジェラルド・バトラー主演で映画化もされました。

アンドリュー作曲のミュージカルは1986年にロンドンで初演をされて以来
25年のロングラン上演となっている作品の一つです。
わたしもロンドン在住中に、数回この作品は観ました。

今回、来韓公演としてやってきたカンパニーは
2011年10月にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでたった2日間、3公演のみ上演したという
25周年記念特別公演のものでした。
ちなみに、キャストはワールドツアーキャストです。


さいしょに一言。
わたしは、この作品のストーリーが好きではありません。

世界のファントムファンを敵に回すようで、おそろしいのですが
まったくもってこの世界観が理解できません。
ファントムはロリコンの変態オヤジ、クリスティーヌは父親の死を受け入れていない精神を病んだ少女という印象が
わたしには拭えなくって・・・(元来、毒舌なのでハッキリ言わせて頂きます)

そして、オレ様なアンドリューもどうも好きになれません。

じゃぁ、何で観るの?って?
過去に、ファントムファンの方からものすごい剣幕で問い詰められたことがあるのですが(笑)

それは、音楽。

やっぱり、音楽が素晴らしいのです。
オレ様アンドリューが、オレ様であるに足るほどの素晴らしい音楽。

いくつもの主旋律が同時に奏でられているにも関わらず
決してうるさくならず、各登場人物が歌う音のかけらがキラキラときらめき
バラバラだったパズルのピースがかちりとはまったような
音楽の美しい気持ちよさ、清々しさを感じさせてくれたのが
アンドリュー・ロイド・ウェーバーの音楽でした。

そして、わたしがロンドンで観たファントム(怪人)の役者さん
25周年記念でも演じていたラミン・カリムルー
彼のファントムは圧倒的に繊細で、「まったくもって理解できない世界観」を
「こういう世界もあるのかもしれない」と考えを塗り替えるほどに
もろく、危うい切ないファントムだったのです。

ほとんどの時間を仮面で顔をかくし、マントを翻しているファントムの
妖しく、悲しい動きをラミンは細やかな手の動きで
表現していてわたしはその世界観にラミンの手の動きだけで
ドボンと沈められたのです。

なんというか、綺麗でした。

でもね。
今回の来韓カンパニーのファントム役の方…。
全体的にがっしりした体型だし、低音はよく響いてかっこいいのだけれど
高音が妙にねっとり甘ったるく聞いていて嫌悪感を伴う鳥肌が・・・。

しかも、ミスが多すぎ(涙)

はじめて観た人でさえ気づくような絶不調ぶり^^;
どうしたー、ファントム!!??
と、突っ込みたいこと満載でした(笑)

しかも、ファントムだけではなくて他のキャストもあまり私の好みではなかったです。
マダム・ジリーがロンドン公演で見たときの
厳格で隙のないパツパツした綺麗なイギリス英語が
キャラクターに合っていて好きだったのだけれど
今回はなぁんか、ほがらかさがにじみ出たマダム・ジリーというか…。

カルロッタも、イマイチ抜けきれておらず…。

全体的に不完全燃焼というキャスティングにわたしはちょっと残念に思いました。

ただ、ロンドンで最後に観たときのラウル役の方が
コメディアン?と思える小太りの三枚目ラウルで歌うたびに
ぽっこり出たお腹が出たり、引っ込んだりする姿が
もう~~~~~イヤで、今回のラウル役の方も決してほっそりタイプではなく
がっしりした方でしたがコメディアン風ラウルよりはずっと良かったです。

全体的に微妙だったせいか、わたしは「もうこの作品は観たくないな」という感想に。

絢爛豪華で派手なミュージカルらしいミュージカルである『オペラ座の怪人』は観ていて
飽きてしまうというか、地味目のものが好きな私には合わないというか…。

なぜ、Billy Elliot The Musicalは何度も何度もウン十回という回数を重ねてもなお
おいおい涙を流すほど感動をしたのだろう。
また観たいと思わせてくれる程の奇跡が
奇跡が起きる瞬間をこの目で何度も観てもなおあの作品は魔力がありました。

ジャージの子供が安っぽいセットで走り回っているだけなのに
心に触れるものが、子供たちが無限の可能性を見せてくれるあの瞬間が
とてつもなく大切に感じられて、わたしはまたあの作品を観たいとそう感じてしまいました。

5月にBilly Elliot The Musicalを観たときに
かつて私が好きだったショーとは違うものに変わってしまい
悲しくて、さみしくて「もう観ない」と心に決めたのに
なぜか、舞台に1ミリも華やかさのないBilly Elliot The Musicalには
まぶしいほどの光のカケラが私には見えるのです。

ファントムには、その光のカケラが
「音楽」意外にはなくて、ストーリーもラミンが私にかけてくれた魔法もすっかり溶けて
ただのロリコンの変態オヤジと精神を病んだ小悪魔少女の歪んだ物語と
わたしは感じてしまったのです。

人によって好みはそれぞれです。
これだけ25年もの間、大勢の人に愛されるだけの作品であるというのは私も十分に分かるのですが
子供のときにガストン・ルルーの小説を読んだときから
どうもこの世界観が私には理解しがたくて、ついぞこの世界に浸れることはなかったように思えます。

ただ、ラミンのファントムがもう一度観られるのなら
わたしは観たいと思います。

たぶん、私にとっては小説を読んだときから
ラミンのファントムが想像の通りのファントム像だったのかも知れません。

地下のシーン。
サルのオルゴールを前に「マスカレード」を歌うファントム。

ラミンの白く妖しい手が震えながらサルの動きにあわせて手をぱちぱちとするその動きが
「まったくもって理解できない世界観」にドボンと落とした
それだけだったと今になって分かりました。


25周年記念公演はDVD・ブルーレイ化もしております。
ラミン演じるファントムはこちらのビデオから観られます♪
もう、これでいいかな^^;

悲しいラブ・ストーリーと思えない感性の鈍い人間なので
辛口ですが、こういう感性の乏しい人間もいると思っていただければ幸いです。。。





*いつも遊びに来てくれてありがとうございます*
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