オペラ座の怪人5回目の観劇です
メッセージ性に乏しいこの作品
とっくに飽きていますがジェリムさんの声に呼び寄せられてしまいます。
困ります、本当に...
この日は初めての組み合わせ
ファントム役チェジェリムさん
クリスティーヌ役ソンジスさん
ラウル役ソンウォングンさん
それから体調不良者リレー中のオペラ座の怪人チームで
マダムジリー役のキムアソンさんがお休み
アンダースタディのシンスンアさんがご出演の貴重な日でした
さて、ジェリムさん
いよいよ今週から釜山でレミゼラブルが開幕しジャンバルジャン役とこのファントム役をかけもちする生活が始まりましたが
なんとソウル公演始まって2ヶ月、後半シーズン突入のタイミングで
歌唱から演技までガラリと変えてくる超人技を見せてくれました...。
ジェリムさんのことですからこの新しいパフォーマンスを繰り返し練習しているはずです
レミゼの稽古もあってどこにそんな時間あったのでしょうか...。
録音部分は変わりないですが(オペラ座の怪人は演出の都合上かなり録音部分があります^^;)
生の歌唱部分はまるっと変えてきたといっても過言じゃありません
9月末の公演を観た方いわく変化の前兆はあったもののかるく観客の反応を見ているような
小さな変え方だったようですが
それにしたって8月、9月のファントムとの違いに驚きました...。
新ファントムは前半の幼児のような激情型ファントムの反対で
非常にシニカルで闇の奥深くで人を憎み己を憎んでいるような
予期できない輪郭すらぼんやりとした狡猾な大人ファントムといった印象です。
幼児ファントムは身体だけが大人で何も知らない子供のような残酷な無邪気さが目立つファントム
秒で興味の対象が移り変わりその都度感情を爆発させて暴れていましたが
大人ファントムは身体と共に邪悪な憤怒の感情が大きくなり
天才がゆえその歪んだ怒りのぶつけ方がたちが悪く
観客含めファントムの思うままに翻弄させられるようなゾッとする存在感
激しい怒りを声で表現していたソウル公演前半はあまりの声質の鋭さに怖い怖いと言われていたジェリムさんのファントムでしたが
今回は聞いていて窒息させるような悪性の霧がかかったような
内臓から少しずつ侵食し人を破壊していくような気味の悪い声にされていました
でも気味の悪いささやくような声が激しく慟哭しているようにも聞こえる
気味が悪いのにわからないけど聞いている側が泣きたくなるような切ない声
すごい声を作られてきました...。
呆気に取られました。
ここまで天才だったのかと...。
決して前半の幼児ファントムの声も好評だったとは言えません(落雷ボイスに飛び上がってビックリされている方たくさん見ました...)
ただファントムの圧倒する声の表現力は称賛されていました。
やはりチェジェリムだと。
だから「ジェリムファントムは怖い」を前知識にいれて観劇にきたかたは
拍子抜けしちゃうんじゃないか位、大地や空を轟かせるような強い声は今回出されていませんでした。
もちろん、ジェリムさん比なので普通のミュージカル俳優さんに比べたら
充分怖い声なのかも知れませんが^^;
初日から観てきたファンからすると怖いより吸い寄せられてしまう哀しい声です。
レミゼのジャンバルジャンの稽古をしているなかでジェリムさんのなかでファントムの捉え方が変わったのか
最初から意図をしこのような変化を見せてきたのか真意は今は分かりませんが
レミゼが始まる前にまるで違う公演を魅せてくださり
やられた...の一言です^^
ミュージカルの世界だけでコツコツ努力をし続け
歌唱力ひとつで韓国ミュージカル界のトップまで来たと言われているジェリムさんですが
ジェリムさんは「ここが頂点ならもっと上に頂点を作ってやる」と更に上を目指していらっしゃるように私には見えます。
頂点をつきやぶりその先を目指していらっしゃいます。
ジェリムさんのファントムはおそらくこの先も忘れられないだろうなと思います
確かに今あぶらがのっている時期ですがまだ少し若すぎたような気もしていて
ジェリムさんならもっと歳を重ねたほうが魅力的になりそうです
50歳のころファントムをまた、なんて話はありますが...きっとムリでしょうね^^;
さあソウル公演後半、どんなファントムをどんな歌唱をみせてくださるんでしょうか^^