once in a blue moon

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あんにょんはせよ

ロンドンで出会ったオトメン韓国人旦那と2014年12月生まれの娘と
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ファンホーム(펀홈)

2020-07-23 | ミュージカル・演劇・コンサート

アリソン・ベクダルのグラフィックノベルをミュージカル化した
ミュージカル「ファンホーム」を観に行きました。

韓国は初演です。
去年、ファンホームが2020年の夏に上演されるという噂を聞いてから
ずーっと楽しみにしていた作品です。

9歳のこどもアリソン、19歳の大学生アリソン、42歳の漫画家アリソン
三世代の主人公アリソンのうち42歳のアリソン役
だったら良いなと思ったのがパン・ジニさんです。

ジニさんは知的で気品にあふれ作品の良さをぐいぐい引き出すことが上手な女優さんで
わたしは大好きです。
そのジニさんがアリソン役としてキャスト発表されたときは嬉しくて絶叫でした!(笑)



ということでプレビューのジニさん回を張り切って予約!
気になった舞台席の三列目センターというなかなか素敵な座席で予約をしたんですが...。

開幕前に制作会社から「舞台席は貴重品以外の荷物は預け公演開始前に係員の誘導で着席」とか
めーんどくさい...(白目)

プレビュー初日は検温などにも手間取り公演後に謝罪文があがるほどゴタゴタしたようです^^;

だからもう憂鬱で...。




しかし実際に会場についてみたら入り口で検温し荷物も膝にのるサイズなら預けなくて大丈夫
もぎりの方にあらかじめ入力しておいたWeb問診票のスクショ画面を見せ最終的におでこ検温で入りたいタイミングで入場とスムースに出来ました^^

韓国ファンホームはブロードウェイのように円形型の座席配置。
役者さんが中央で演じる様子を見る形なんですが予約をした三列目がちょうど子役と目線があう位置でした。

わたしが座った位置はクライマックスにこどもアリソンと目線があう位置でそれはそれは泣きました。。。

座る位置によって各キャラクターの表情が見えたり見えなかったりして
リピートして観たくなる作品です。

人生は振り返っても自分の目線でしか見えないし
他の人がその瞬間、瞬間をどう見ていたかなんて
繰り返し見ることなんて本来はできないけれどもアリソンの悲喜劇は様々な角度から観られるようになっていて
繰り返し観て観客に推測をさせ楽しませるつくりになっていました。

まぁ~大好物でね、こういう作品(笑)

子役はまた観に行くつもりなので誰でもよいと思っていたら
アリソン役はマチルダのマチルダ役だったソル・ガウン
クリスチャン役はビリーエリオットの親友マイケル役だったハン・ウジョンと
思い入れのつよい子達が並び嬉しかったです。

ふたり共おっきくなったし何より歌が上手になっていました^^

ガウンはあの歳ではまだ理解し表現するには難しいアリソン役を
時々、手探りな印象はありましたがまっすぐに見つめ演じていました。

感性の豊かな子なのでこれからまたガウンにしかないアリソンを見せてくれそうです。

またジニさんは、アリソンご本人かなと思うくらいアリソンになりきっていました。

こどもアリソンと大学生アリソンの「記憶」を見つめるそういうシーンがほとんどなんですけれど
ジニさんはふたりの魅力をぐいぐい引き出し
客席の注意の引きかたが華麗なんです。

大学生アリソンのイ・ジスさんがまた凄く良かった。。。

Changing my majorをこんな風に歌い、くすぐったくフフっと笑っちゃうような表現をされるんだと魅せられました。

ブルース役のチェ・ジェウンさんは良い意味でよくわかりませんでした。
この観て「わからない」という感覚はジェウンさんが魅せてくれた演技なんだと思います。

表側と裏側の曖昧さ。
Edges of the worldの最後「why I'm standing here」の曖昧さが凄かった。

アリソンは自殺と結論付ける。
でも...?の曖昧さが凄いジェウンさんの表現でした。

そのあとのジニさんの息も出来ないほど壮絶な「キャプション」の繰り返し。
劇中、アリソンが繰り返してきた「キャプション」はこの瞬間のためにたくさん出てきたんだと思います。

ブルースのちいさな円の中の世界「why I'm standing here」といい消えていく
そこにキャプションはいくつ必要なんだろうと。
人の人生にキャプションはいくつあっても足りない。
どこから観るかでまたキャプションは増えていく。

圧巻でした。

アリソンとブルース
演出では、アリソンの円の照明のほうがブルースの円よりはるかに大きかったです。

暮らす世界の広さ、見える世界の広さ、そして時間、時代、立場

一人一人の円の大きさは様々でその円を広げることも人と出会いその円が交わり、円の束の数を増やすことも人それぞれ

アリソンの円の広さはブルースが与えてくれた飛行機で飛べたからなのかな。
アリソンが「見えた」のはブルースが飛ばしてくれたから。
同じ枠の中から飛びだしたアリソンと枠の中にいたままのブルースの対比が印象的でした。

アリソンの半生のRing of keysは切なくて悲しくて笑えて愛おしかったです。

同性愛者である父娘のお話ではありますが
それはひとつのkeyワードでしかなくそれに付随した家族のお話です。

お時間あれば皆さんぜひ^^
全力でおすすめします!

イヘラン芸術劇場で10月11日まで!









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