この資料館で見るべきものは大きく3つに分かれています。
ひとつは支笏湖や樽前山の噴火によって堆積された火山灰などの地質標本。
支笏湖は約4万年前から何回にもわたって噴火を繰り返していました。
その噴火による火砕流やその他の噴出物が道内広い範囲に堆積しています。
恵庭は支笏湖から近いこともあってその堆積物が時代ごと見事に垂直分布しています。
その地層の様子が地質サンプルとして展示されています。
支笏湖カルデラ形成による堆積物はとんでもない量だとわかります。
さて、その堆積物によって恵庭の地形が生まれました。
そして時代が下り低地には縄文時代から人が定住していきます。
恵庭市内には古代の遺跡が100ヶ所以上ある。
その代表的な遺跡が国指定史跡「カリンバ遺跡」。
見るべきものの2つ目はこの「カリンバ遺跡」を中心とした発掘品などです。
漆塗りの櫛や玉、勾玉、それから土器などの発掘品の展示はもちろんのこと、
解説も当時の生活と結びつけて理解しやすいようになされていました。
それに「カリンバ遺跡」関係の図録はなんと自由に持ち帰れます。
入館者数からもそうそう捌ける図録ではないと思いますが、これは有り難い。
私ももちろん、いただいてきました。
発掘品の羅列ではなく当時の生活と結びつけてわかりやすい解説をするのは重要。
“ブツ”だけ見せて“貴重なものです”と解説されても理解しにくいですからね。
また北海道では恵庭の他は江別にしか発見されていない古墳の模型がありました。
こういうのも大事ですよね。
私は常々北海道の市町村レベルの博物館は自然や考古学の展示は最小限に留め、
産業遺産関係の展示を中心に据えるべしと言ってきています。
ですがこの恵庭市のような自然や遺跡などに特徴的なものがある場合は例外、
私は展示を十分に楽しむことができました。
それはもちろん、館による質の高い展示手法や社会教育に対する理解があってのことですが。
続く
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