派閥の機能が弱体化し政策集団という大義名分も時代の洗礼を受けてい
る。物言う若手の台頭で派閥力学も機能しなくなり終焉を迎えた。派閥領袖の
統率、締め付けも功を奏さなくなり自主投票を決めつけ丸投げした。―― いち
部の派閥ではあるが ―― 派閥解体・再編の動きが模索されている。連動して
総裁選後の解散総選挙を得て新首相誕生の基で<政界再編>の動きが確実
となった。日本政界の一大再編は時代の要請である。一党独裁?独走的長期
政権は民主主義体制には馴染まない。随時世界の情勢に呼応・対応して迅速
に政権交代が可能な政治制度にしていくべきだ。目指すは2大政党制の実現
にある。次回の解散総選挙は、その一里塚である。その暗示的示唆が町村派
の麻生氏支持と小池氏支持の二分に顕現している。解体の前哨戦が両候補
支持の二分である。最高顧問の森氏と領袖の町村氏は早々と麻生氏支持を打
ち出した。一方、代表世話人の中川秀直氏は小池氏擁立を決めている。折し
もタイミングよく小泉元総理が小池氏支持を表明しエールを送ってきた。・・・意
を強くした“上げ潮派”は構造改革の総仕上げとして小池氏を支持し全面バッ
クアップの構えである。それで町村派の亀裂は、いよいよ決定的となった。22
日までの新総裁が決まるまでは修復は困難だ。後、後まで尾を引き政界再編
まで縺(もつれ)る。中川氏の意(解散総選挙後の新自民党政権の基で構造改
革の総仕上げを夢見る?、実現の可能性を確信して)を汲み取れない派閥内
の包囲網は益々強固になるばかりである。中川氏は総裁選後にターゲットを絞
っているが財政規律・再建派の与謝野氏とは一定の距離を置くものの、麻生氏
とは ―― 喫緊の財政出動、中長期の財政再建を得て仕上げに上げ潮派に類
似の政策の総仕上げとしての更なる経済成長を目指すが ―― 相容れないも
のが有る。小泉改革の明確な構造改革を打ち出している小池氏を擁立する事
になった。中川氏は<総裁選が政局の第一幕だとしたら衆院選は第二幕だ!
>と近しき同僚に漏らしている。さて、民主党が政権奪還に意欲を燃やしてい
る最中に総裁選はどう変動・変節していくか、眼が離せない。来る解散総選挙
が真に国民の直近の民意になる様に国民も冷徹な眼で政策を分析して投票行
為をすべきである。・・・