各候補者の主張を拝聴しての感想であるが、経済政策―― 財政再建、
財政出動、景気浮揚、経済成長、構造改革堅持等 ―― に外交・その他が付
随しただけで骨太の政策が無い。新鮮味に欠ける。又か、の溜息さえ聴こえ
る。女性の眼 云々も喧伝するが魅力がない。外交・安全保障を前面に据え、
他との違いを強調するが従来の踏襲の域を出ない。正に お祭り騒ぎ の賑や
かさしか感じられない。マスコミ受けする追っかけ記者を魅了する点では抜群
の効果がある。その様相では民主党は影がひそむ。政治の起伏を経験・体験
した国民は、そういう見え透いた前哨戦（解散総選挙）に辟易している。冷静な
眼で この様な 劇場型茶番劇 を観ている。＜実効性が有るか無いか＞ の政
策を見定め“政策の実効性”と“人物の統率力”で国民は政治価値を判断す
る。国民の眼が肥えてきた。総裁選後の解散総選挙を睨んで再選に意欲を示
す現議員は選挙区でのサービス精神の発揮、その地域での要請、要望に沿う
政策を喧伝し票獲得に奔走する。いよいよ正念場、当落の決め手を見極め猪
突猛進する。何時もの選挙準備の風景が早、展開されている。１０月中下旬解
散、１１月初旬選挙の日程まで囁かれている。自公民 対 民主党・野党の対決
の構図が浮き彫りになってきた。選挙本番、全開。政権交代、政権奪取に息巻
く民主党・野党勢力の勢いに政権交代の現実味を実感する。ところが政策遂行
には財源が必要である。与野党の政策遂行のネックが財源である。その捻出
に与野党とも頭を痛めている。民主党は独立行政法人や特殊法人等の精査で
捻出可能と太鼓判を押す。官僚に牛耳られた自公民、政官業の癒着の実情で
は精査が機能不全に陥っている。と言うより不可能である。ところが政権交代
で国民の前に白日の下に曝け出しグウの音も出させない手法で資料提出、真
実の提示、隠し財産の提出を義務付け暴露させる。諸々の手法で自公民が出
来なかった事を実行させる、実行する。そういう大ナタを大胆に振るう事で財源
を捻出する。そうすると数十兆円は、あっと言う間に捻出できる。現実味のある
確かな手法だと思う。同時に並行する形で喫緊の繋ぎの手当は例の埋蔵金を
一時借用して景気浮揚策に充てる。マスコミや識者は自公民・与党も民主党・
野党も確かな財源の根拠を数値・数字で示せ、と迫る。それも頷ける。さもなけ
れば消費税増税もやむなし、と主張する。責任ある政権政党の義務である、と
唆す。しかし、その主張には数多の疑問が付く。直ぐ、消費税１０％云々が確
かな数字・数値の提示だと主張するが足元の整理・精査もないままに増税云々
は短絡的すぎる。説得力に欠ける。むしろ民主党の主張どおり、この際、官僚
の資料提出、精査を徹底的に行い暴きだす作業を優先する事が先決である。
長期の腐敗した官僚組織の内部構造の大改革と浄化、クリーンにする一大作
業が先決である。そこから宝の山を掘り出す事である。まずメスを入れる事か
ら始める。政府・与党が“無い、無い”と喧伝していた例の「埋蔵金」（実際は有
る、支出が約束されている準備金ではあるが、一部、借り出す事が可能な積立
金・剰余金が有る）で緊急手当を行い、同時平行して数年掛けて精査作業に猛
スピードで取り組む。それが民主党の戦略だと認識している。ガソリン高騰、物
価高騰等々の喫緊の対策には現実的で可能な戦略である。 政権交代 で政
治の浄化作業をする事が日本の将来にとって必要な対策である。華やかな茶
番劇に、もう国民は騙されない。透徹した眼で冷静に成り行きを見ている。麻
生氏に決まりの総裁選は小沢民主党代表との対決の顔としての（一時総理の
選挙管理内閣として）解散総選挙の前哨戦でしかない。だから日程消化の茶
番劇と言われる所以である。現政権下では、従前から噴出続発した不正、談
合に続く、直近では 三笠の事故米の偽装、社保庁の年金改ざん等々とボロが
続々と表面化した。現政権の監督管理下にある企業の指導も徹底出来なくて
野放し状態を放置しておいて 高邁な政策 をブチ挙げる。 ??・・・管理下にある
企業の指導が喫緊に解決すべき問題であるにも関わらず“私が総裁になった
ら、こんな政策で国民生活を優先し解決する云々・・・”の演説に余念がない。
何だかチグハグで白々しい。“お詫びする”の頭（こうべ）を垂れる風景は、も
う、ウンザリだ！ 政界不透明の感を強くする。・・・
※付記：１ 自公民支持者、党員・党友でも大勢として今回は民主党に政権を
譲り、遣らせてみるか、手の内、拝見という心情を示している。
※付記：２ 消費税１０％の増税は２０１５年までに段階的に２％ー３％ずつ上
げて１０％にする。
