又、例の賑わいで政治ショウーを展開する自民党総裁選。天才的アジテ
ーターの小泉氏の真似ごとは、もう出来ないし通用しない。国民も選挙馴れし
冷静な醒めた眼で候補者の政策を見つめている。経済政策だけが争点になる
気配がするが懸案の外交・内政も問題が山積している。具体的な論戦で明確
な政策の相違が出てくると思うが所詮、自民党内の内輪だけのコップの中の争
いに過ぎない。直近ではイージス艦の艦長証言が波紋を呼んでいる。死亡とな
った親子の小型延縄マグロ船「清徳丸」が方向を誤ったからだとの言い分で争
う構えである。口合わせとの疑念も出ている。年金問題でも不正が続々出てき
て収拾が付かない様相を呈してきた。幾らヤル気と政策遂行で改革を訴えて
も、もう信用はしない。劇場化の様相が出てきただけで一応、役者は出揃った
感はあるが一国の代表としての総理の資質が問題である。即ち、“世界の中の
日本としての明確な未来像”を提示し、その実現の為の喫緊の政策、短期政
策、中期長期政策 ――外交政策、特に北東アジア対策と日米同盟の在り方と
その見直、WTOやEPAへの対処等々・・・、内政では、景気浮揚策、物価高騰
対処策、原油高騰対策、少子高齢化対策、社会保障、医療・介護、年金、税制
改革、雇用対策、教育等々―― と峻別して施行する能力が要請される。提示
する“政策と財源”は表裏一体であるから、どこから財源を捻出して実施する
か、を明確なビジョンの基に提示する事である。そういう諸々の能力を兼ね備
えた方が一国の総理に相応しい方である。政策を含む個人の資質としては先
にも提示したが、・・・
●政治家としての人望(外交力を発揮できるセンスを持ち合わせた人)
●政治的専門力量(政策的専門知識と政治的センス)
●深い学識(幅広い学殖)
●先見の明
●知名度(国外、国内)
●風格(ぶれない識見を堅持)
●人格(豊かな人間性)
等々の総合力を兼ね備えた人が、一国を代表するに相応しい総理の条件であ
る。そういう観点から選出する事である。売名行為でマスコミ受けする方は戴け
ない。センセーショナルなアジテーター的御方もノーである。―― 与野党を問
わず政策提示には―― 国民は、劇場型政治ショーに惑わされる事なく冷徹な
眼で総理は選出したいものである。国民の手に委ねられたのは解散総選挙し
かない。今回、選出される自民党の総裁と国会での総理選出には解散総選挙
までの一時的“選挙管理内閣”と言われる所以(ゆえん)である。マスコミ等の
連日連夜の報道合戦も醒めた冷静な眼で見つめて行きたい。