現代っ子は過保護で自然体験が乏しい。ちょっと雨が降れば帰りはどうし
ていいのか分からない。友達の傘に一緒に入れて、と催促もできない。親が当
然、迎えに来るものと決め込んで、ずっと待っている。親も慌てふためいて用事
も投げ捨て一目散に学校へ・・・。これが普通の親子の日常の風景だ。ある調
査によると“日の出、日の入り”を見た事がない子が5割を占める。“高い木に
登ったことがない子”が実に98パーセント。“野山の木の実や野草をとって食
べたことがない子”が95パーセントもいる。“湧き水を飲んだことがない子”が
99パーセント。“海や川で魚釣りをしたことがない子”が同じく9割。勿論、人口
の 釣り堀 での経験がほとんどである。危険を伴う環境が災いしているのは否
めない。そういう実態からすると、安全で公認された場所での「自然体験」は大
いに奨励すべきである。子供の<生きる力>は自然を効率よく利用し生活の
中に取り入れる知恵、それが培われてこそ育つ。その観点からすれば「ゆとり
の時間」が無くなったことは、至極 残念である。その時間を 学力向上 の為に
皆無にした事は後代に禍根を残した。ナイフでリンゴの“皮をむけない子“、“洗
濯できない子”、が言われて久しい。50代以上の年代が普通に経験し体験し
たことが今の子にはできない。というより、そういう環境が提供できなくなった。
一歩、外へ出れば危険が、いっぱい待ち受けている。当然、自己防衛になる。
事件事故が毎日、報道されると危険から身を守ることは何よりも最優先される
のは当然である。・・・困った世の中になったものだ・・・。しかし、そういう環境を
是正する努力が今の大人には課せられている。・・・「こどもの日」に因み、考え
てみた。将来の日本を担う子供の為に今の大人は何ができるかを真剣に考え
る時期に来ている、と。・・・
●付記:「自然体験ができる山野・里山の確保・整備・保存」、「食育と農業体
験」(親子の食の語らい、野菜づくり体験等々)、「自然体験塾」、「こども農業
学校」、「都会っ子の主張農業」・・・そういう体験を大人は用意したい(アイデャ
アの提供)