2024年における訪日外国人客(インバウンド)は過去最高となった。新型コロナウイルス感染症の沈静化や記録的な円安基調などが背景にある。一方、訪日客消費額は24年で8・1兆円となり、過去最高となった。訪日客が増加していることに加え、1人当たりの消費額が増加していることが背景にある。
この流れは25年も続く可能性が高い。4月13日から大阪・関西万博が開幕することで、大阪市周辺には国内外から多くの観光客が訪れる可能性が極めて高い。万博会場である夢洲地区の近くには、巨大テーマパークであるUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)があることで、相乗効果も期待できる。同市では数多くの観光地や施設があることで、混雑度が増す可能性が高い。
訪日客の消費額はGDP(国内総生産)統計上、「輸出」に該当する。日本は加工貿易国であり、いろいろな工業製品を輸出することで、外貨を獲得している。訪日客の消費額は自動車に次ぐ位置にあり、半導体や鉄鋼を上回っている。今日では有望な外貨を稼ぐ項目の1つとなっている。
訪日客は今後も増加する可能性が高い。ホテルなどの宿泊施設や観光施設は受け入れ態勢を強化することで、さらに増加しても受け入れることができるよう、準備を進めることが重要である。施設のリニューアルや多言語化に対応できる態勢を整えつつ、人手不足を解消しつつ、労働者を確保することが重要である。
訪日客の消費は重要な産業の1つとなっている。訪日客が国内で受けるサービスや購入するモノの対価は消費額に直結する。つまり国内でのほぼすべての金銭のやり取りが消費額に計上される。
観光業は徐々にではあるが、主要な産業の1つになっている。観光は交通、宿泊、飲食、小売など影響は多岐に渡り、すそ野が広い産業である。ただ、自動化が難しく、労働集約型であることで、逆に雇用吸収力が高い。観光は年間通じ、安定的な入込客数が続くのであれば、常用雇用の比率が上がり、安定的な労働雇用につながることとなる。季節の繁閑を解消するにはダイナミック・プライシング(価格変動制)を有効活用することで、入込客数を平準化することが重要である。
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