一段と進む少子化により、大学などの学校法人の経営は厳しさを増している。バブル経済の崩壊以降も大学の数は増え続けた。一方、少子化により、18歳人口は減少傾向であり、募集人員を満たせない大学が6割程度に上っているのが現状である。
募集人員を満たし、入学者を確保できないと、大学の収入減に直結する。受験者数も同様であり、受験者が減少すると、収入減となり、歳入は減少することで、経営は悪化する。大学側としては、受験、入学から始まり、卒業まで一定年数、在籍してもらうことで、安定的な収入確保につながる。人数が多ければ多いほど、大学経営にはプラスに作用し、経営における運転資金を回しやすくなる。
大学の定員割れが続くと、経営に直結する。少子化が長く続くことで、大学の経営から撤退する法人が増加する可能性が高い。大学などの学校法人といえども、赤字経営が続くことは経営としては、メリットがなく、経営譲渡をしたほうがはるかにメリットが大きい。赤字負担の継続を回避でき、譲渡以降の支出がなくなることで、支出に歯止めをかけることができる。
逆に考えると、大学経営に参画したい企業や法人にとっては、今後、大きなチャンスが到来する可能性が高い。募集人員未満の大学が6割もあることで、国内に大学が1,000程度あるとすると、600程度が何かしらの動きがあっても、決して不思議ではない。校舎やグランド、設備などをそのまま活用することができれば、新たに参入する場合でも、金銭負担が少なく、大きな負担なしに経営参画をすることができる。
高校や専門学校などを経営する学校法人や、塾などのいわゆる受験産業で活動する企業などが大学経営に参画する可能性が低いわけではない。大学以外の分野で顕著な実績を有し、企業活動において、大きな売上を上げているほど、知名度が高く、ブランド力を生かすことができる。つまり受験生や学生募集には有利となり、以前よりも優秀な人材が集まりやすくなる可能性が高い。
現在ある大学も含め、優秀な学生の確保は資格試験や就職試験において、高い実績を残しやすくなり、ひいては地元での評価を高めつつ、優秀な学生獲得につながりやすくなる。卒業生の活躍が顕著になれば、さらに受験者が増加し、優秀な学生を確保しやすくなるという好循環につながりやすい。
大学の経営理念や講義内容、教職員や学生の質、活動内容など、一概にはいえないものの、企業経営と同じで、努力次第では経営が好転し、収入増加となる可能性もある。学校法人は営利企業である株式会社などよりも、税制面で優遇されていることも、経営に有利な一面である。
現在、少子化が進んでいることもあるが、学校法人の数は簡単には増加せず、競争相手は簡単には増えない。地元密着で地元に浸透し、着実に努力を積み重ねていくことで、優秀な人材を確保する可能性は高まる。
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